暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
マザーズ・ロザリオ編
第231話 最強姉妹
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てくれたのは、シリカ。
 彼女は戦闘後、ボコボコにされてしまって、その衝撃の余韻がそれなりに残っていた様だったから、足元が覚束なくなって、倒れ込む様に抱きついた、との事だった。
 相手が、本当に男の子であれば、……困った事になりそうだったが、異性に過剰に接触すると、つまり抱きつくと、間違いなく発生する《ハラスメント・コード》がアナウンスされなかったから、間違いないのである。

「そう、か。……随分と大変だったんだな? シリカは」
「ぅ……、そーでしたよ………」

 しょぼん、と耳を伏せてしまうシリカ。
 ピナが、『きゅるる……』と励ます様に頭上で翅を羽ばたかせているのが、何処かまた、愛らしかったのは、また別の話。

「そ、それでも驚くよっ、だって、色々とすごい事、訊いてたらさっ! 通り名だって、すっごく強そうなんだしっ。なんっていうか、筋骨隆々? みたいな印象だったもんっ!」
 
 まだまだ興奮冷めぬレイナ。だが、それを訊いたリュウキは、実に対照的だった。

「ん……、そうか? 女性プレイヤーに付く様な通り名じゃないだろうな、と一般的にも思える名前が、身近に何人かいたし。それで十分先入観はなくなると思うんだが……」

 身近な例を、悪気もなく、ちゃっかりと上げちゃうのはリュウキ。

 そう――確かに、自分たちのパーティには、イメージをいうだけであれば、負けていない者がいる。

 1人は、《バーサクヒーラー》
 更にもう1人は《バーサクソンガー》

 どちらも女性プレイヤーに名付けるには……少々抵抗が有る、と言うものだ。
 後、もう1人、猫妖精族(ケットシー)の《弓兵(スナイパー)》も何処か負けていない気がするが、古来より、凄腕狙撃手(スナイパー)には、女性が多数いたから、まだ弱かった、と言うのはリュウキの意見である。

 その返答を訊いて、頬を思い切り膨らませるのは誰なのか……、もはや言うまでもないだろう。

「もーーっ、リューキくんっ!」
「ひ、ひどいよー。それに 好きで名乗ったんじゃないし、そもそも名乗ってもないのに、もぉ……」

 レイナは、腰に両手を当てて、仁王立ち。アスナは 何処か窶れた様子。何度もいわれてきているからだろう。
 少々、2人の琴線に触れてしまったと言う事で、そうそうに手を挙げるのはリュウキだった。
 それを訊いて、回りではニヤニヤと笑ってしまっている。……勿論、リズ中心に。

「っと、それより、キリト君?」
「え? どうした??」

 アスナは、話題を逸らせようとしたのだろうか、或いはキリトに本当に何か聞きたかったのか、恐らくは両方であろう。表情を一変させると、視線をやや鋭くさせてキリトを見た。

「キリトくんが、あの人に負けた理由って――……」

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