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英雄伝説〜光と闇の軌跡〜(SC篇)
第46話
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いは何なのかしら?」

「シェラ姉……驚かないの?」

エステルは驚いていないシェラザードに尋ねた。

「正直、もっとハードな事をしてるじゃないかと思ったわ。でも、空賊艇の奪還事件って兵士が気絶しただけみたいだし。ヨシュアらしい手際の良さだと思うわよ。」

「ま、まあね……」

「それでも、人に迷惑をかけたんだから………帰ったら、い・ろ・い・ろと!説教をしないとね!」

「あ、あはは………」

(ヨシュア………早く戻って来ないと、レナさんの怒りが膨れ上がって、大変な事になるわよ?)

笑顔ながら怒気を出しているレナを見て、エステルは苦笑し、シェラザードはヨシュアを心配した。



「……ねえ、シェラ姉。この写真って……ギルドに渡すべきだと思う?」

エステルは不安そうな表情でシェラザードに尋ねた。

「前提として、遊撃士に課せられる義務はただひとつ。不当に傷付けられている民間人を助けるだけってことだけよ。ヨシュアが空賊とつるんで民間人を傷付けたりすると思う?」

「そ、そんなことヨシュアがするわけないってば!」

「そうね。………数年間、あの子を見て来たけど、少なくともそんな事をする子ではないわ。」

シェラザードの言葉にエステルは血相を変えて否定し、レナも頷いた。

「だったらわざわざ報告する義務はないってこと。あたしもわざわざ報告するつもりはないしね。結局、あんたがヨシュアを信じていればそれでいいわよ。」

「………………………………」

「それとも……信じられない?」

不安そうな表情で黙っているエステルにシェラザードは尋ねた。

「信じてる……信じてるけど……。でも……不安なの……。あたしの知らないところで冷たい瞳で……無茶をして……。自分のことなんてどうでもいいって考えてるみたいに見えちゃって……。いっそ父さんに相談して何とか保護してもらうべきかなって……」

「……エステル……」

「…………………………」

エステルの本音を知ったシェラザードは驚き、レナは目を閉じて黙って聞いていた。

「でも、だったらあたしは何のためにここまで来たわけ?ヨシュアをあたし自身の手で連れ戻すためじゃなかったの?……そこまで考えたらなんか頭が混乱しちゃって……」

「そっか……。でもね、エステル。焦らないでも答えは見つかると思うわよ。」

「……え………」

「今のあんたは、自分の気持ちがちゃんと把握できていると思う。ただ何をしたいのかそれを見失ってしまっただけ。焦らないでもきっと答えが出てくるはずよ。」

「シェラちゃんの言う通りよ、エステル。貴女はヨシュアに対する本当の気持ちをわかっていると私も思うわ。」

「シェラ姉……お母さん………」


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