第44話
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た。
「拝見します。…………これは!…………少々お待ち下さい。」
エステルに渡された手紙を最初は首を傾げて受け取り、読み始めたメンフィル兵の1人は手紙の内容や手紙の最後に書かれてあるリフィアとプリネのサインや手紙を調べた時、印されてあるマーシルン家の紋章を見て驚き、急いだ様子で大使館の中に入って行った。
「へえ………エステル。あんた、リフィアさん達から紹介状を貰っていたのね。皇族直々が書いた紹介状なんて、滅多にないわよ?………今大使館に入った兵士、かなり驚いていたわよ。」
メンフィル兵を見送ったシェラザードは驚きの表情でエステルを見た。
「えへへ。……そう言えばシェラ姉は大使館や大使館の隣にあるアーライナ教の大聖堂に通って、魔術を教わっていたよね?もしかしてあたしが持っている手紙のような紹介状を聖女様からもらったの?」
「ええ。もしだめならこれを使おうと思っていたけど、いらぬ心配だったわね。」
エステルに尋ねられたシェラザードは懐から大事にしまってあるペテレーネの紹介状兼大使館に入る許可証を見せて、答えた。そして少しすると中に入ったメンフィル兵が戻って来た。
「お待たせしました。………申し訳ないのですがお二人とも大使館を留守にしていまして……」
「あ、そうなんですか。ちなみに2人は今、どこにいるんですか?」
メンフィル兵から紹介状を返してもらい、説明を聞いたエステルは若干残念そうな表情をした後、尋ねた。
「……申し訳ないのですが、お2人が今、どこにいるかを答える事は………」
エステルの質問をメンフィル兵が断ろうとしたその時
「――リフィアお姉様とエヴリーヌお姉様は本国で大事な会議のために、今は帝都――ミルスにいるわ。プリネお姉様はちょっと理由があって、クロスベルにいるわ。」
レンが大使館の中から出て来て、エステル達に近付いて答えた。
「レ、レン………!」
「レンちゃん!」
「ハッハッハ!……まさかこんなにも早く再会するとはね♪」
レンの登場にエステルやミントは驚き、オリビエは笑って答えた。
「うふふ、久しぶり……でもないわね、エステル、ミント♪それにクロ―ディア姫もようこそ、メンフィル大使館へ。」
驚いている様子のエステル達を見て小悪魔な笑みを浮かべたレンは両手でスカートの両端をつまみ上げて、上品に挨拶をした。
「兵士さん達もいつも見張り、ご苦労さま。ここからはレンが引き継ぐわ。」
「「ハッ!」」
レンに言われたメンフィル兵達は敬礼をした。
「………こうして見ると、やっぱりレンちゃんがメンフィル皇女という事を実感してしまいますね……」
「ええ。それにしてもあたしは数年前から通っていたのにどうして一度も
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