第4章〜眠りし魂達の覚醒〜 第43話
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「あ、あの、シェラさん!たぶんお姉ちゃんにも事情があるんだと思うんです。だから、その……」
「そうだよ!ティータちゃんの言う通り、ママは事情があって空賊さん達を調べたいって、ミントは思うの。だから………」
エステルの様子を見かねたのかティータとミントはエステルをフォローしようとしたが
「……ううん、ティータ、ミント。シェラ姉の言う通りだわ。」
「お姉ちゃん……」
「ママ……」
他ならぬエステルに制された2人は言葉を続けるのをやめ、エステルを見た。
「ゴメンね、シェラ姉……。あたし、ちょっと周りが見えていなかったみたい。」
「謝ることなんてないわ。周りが見えなくなることは誰にだってあることだしね。あたしだってそうだし、そこのアガットなんて特にね。」
「んだとォ?」
からかうような表情で例えに出されたアガットは心外そうな表情でシェラザードを見た。
「でも、己を見失わずに常に最善の道を捜索するのも遊撃士には必要な心構えよ。言うは易し、行うは難しなんだけどね。」
「そのあたりに関しては俺もまだまだ修行中の身だな。旦那の足元にも及ばんだろう。」
「そ、そうなの!?」
「お祖父ちゃんって、本当に凄いんだ……!」
ジンの話を聞いたエステルは驚き、ミントは表情を輝かせた。
「どんな逆境でも己を見失わずユーモアすら漂わせる芯の強さ……。以前、旦那がカルバードに来た時、何度も死地を助けられたもんだぜ。」
「そうなんだ……」
「まあ、あのオヤジの域なんざ簡単に届くわけはねぇからな。俺たちは俺たちなりに一歩ずつ進むしかねえだろう。」
「うん……そうだね。アイナさん、ごめん。話を脱線させちゃって。」
アガットの励ましの言葉に頷いたエステルはアイナに謝った。
「ふふ、いいのよ。それでは話を進めさせてもらうけど……。現時点であなたたちに要請したい仕事は特にないの。何か起こった時のために待機してくれるだけでいいわ。家で待っててくれてもいいのよ?」
「あ、うん。家には戻るつもりだけど……。それ以外に気を付けておくことってない?」
アイナの提案に頷いたエステルは尋ねた。
「うーん、そうね。強いて言うなら、街道の様子を調べてきてほしいくらいかしら。」
「街道の様子を調べる?」
アイナの頼みにエステルは首を傾げた。
「さっきも言った通り、霧はロレント市全域を覆っているんだけど……町外れの方にも結構、広がっているみたいなの。今後のことを考えると発生範囲がどのくらいか知っておきたいのよね。」
「ふむ、このまま定期船が使えない状態が続けば陸路を確保する必要があるわけか。」
「ええ、そういうこと。南のエリーズ街道、西のミ
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