外伝〜山猫号奪還作戦〜前篇
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「おいおい、嬢ちゃん。できたら撮影する前に許可を取っちゃくれねえか?」
「ああ〜っ!」
注意する兵士を無視して、ドロシーは何かを見つけたかのようにフラフラと動き、外を撮り始めた。
「だ、だからよ〜……」
話を聞かないドロシーに兵士は呆れた。
「……彼女は?」
「はは、マスコミの人間ですよ。先ほど、この訓練場に押しかけてきたんです。確かに予約は入っていたんですがこんな時間に訪ねてくるとは……」
「なるほど……」
「ああああっ!?」
ミュラーと守備隊長が会話をしていたその時、ドロシーは大声をあげてミュラーに近付いて来た。
「へ〜、見たことのない軍服を着てらっしゃいますね〜。それに背もおっきいですし〜。どちらの部隊に所属されているんですか〜?」
「……いや、自分は……」
「あっ、申し遅れました〜。『リベール通信』っていう雑誌のカメラマンをしているドロシー・ハイアットで〜す。雑誌の特集で、この訓練場の写真を撮りに来たんですよ〜。」
答えるのを迷っているミュラーを無視してドロシーは自己紹介をした。
「……エレボニア帝国軍所属、リベール駐在武官のミュラーだ。」
「エレボニアの軍人さん!?うわ〜、お目にかかるのわたし初めてです〜。10年前の戦争では王都に住んでいましたから〜。」
「そ、そうか……」
ドロシーの話を聞いたミュラーはどう答えればいいかわからず、相槌だけうった。
「隊長、よろしいですか。」
その時、別の兵士が守備隊長の所にやって来た。
「なんだ、どうした?」
「司令部からの連絡です。例の残党の動きについて大きな進展があったそうです。」
〜霧降り峡谷・飛行訓練場の裏口〜
「はあ〜、眠い眠い。早く交替時間にならないかね。」
その頃裏口を守っていた見張りの内の1人は暇を持て余して、愚痴を言っていた。
「第2種警戒体制ってのがこんなにヒマだったなんてな。さっきの嬢ちゃんがまた来てくれるといいんだが。」
「あのメガネの子かよ?お前、変わった趣味してんなぁ。」
もう一人の兵士が言った言葉に目を丸くした兵士は片割れの兵士を珍しがった。
「確かにユニークだったけど、なかなか可愛かったしさ……。お近づきになりたいな〜って。」
「はは、だったら休憩時間に声をかけてみろよ。しかし……情報部の残党ってのは何を考えてるのかね。何でもラヴェンヌ廃坑に隠れていたそうじゃないか。」
「さーな。元エリート部隊の考えている事なんて俺たちなんかに判るわけないって。」
「……ご苦労、2人とも。」
見張りの兵士達が会話をしていたその時、守備隊長が内側からやって来た。
「こ、これは隊長。」
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