第38話
[4/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
る場所を捜すべきやで、エステルちゃん。」
「う、うん……でも『お茶会に来い』ってどこに行ったらいいのか……」
シェラザードの話を聞き驚いているエステルだったが、ケビンに言われて優先事項を思い出し、どうするべきか迷った。
「とにかく心当たりを捜してみるしかないわね。アネラス。一つ頼まれてくれない?」
「はい、何ですか?」
「『エルベ離宮』の警備本部にこの事を連絡してきてほしいの。周遊道に現れた武装集団はおそらく陽動に間違いないわ。」
「なるほど……」
「やはり狙いは王都やね。」
シェラザードの推測にエステルは頷き、ケビンは真剣な表情で呟いた。
「わかりました!それじゃあ離宮までひとっぱしりしてきます!」
「アネラスさん、気を付けて!」
「うん、エステルちゃんもね!」
そしてアネラスはエルベ離宮に急いで向かった。
「執事さんは悪いんだけどギルドで待機していてくれる?公爵閣下は必ず取り戻すから。」
「……かしこまりました。待機している間、皆さんの介抱をさせて頂きましょう。どうか閣下をお願いします。」
そしてエステル達はギルドを出た。
〜エルベ離宮・紋章の間〜
「現在、周遊道北西エリアで第1〜第2小隊が展開中。まもなく包囲が完了します。」
「南東エリアでは特務兵数名がロマール池のさらに向こうに逃亡中。第3〜第4小隊が追撃を続けています。」
一方その頃、シードは兵士達から現状の報告を聞いていた。
「ご苦労。現状を維持しつつ両集団の確保に努めてくれ。」
「は!」
シードの指示に敬礼をした兵士達はそれぞれの持ち場に戻った。
「しかし解せませんねぇ……。一体、何を考えているのやら。まさか陽動のつもりですかね?」
兵士達が去った後、シードの傍に控えた副官は特務兵達の行動がわからず、シードに尋ねた。
「グランセル城には一個中隊を配備している。我々をここに留めたところで彼らに制圧するのは不可能だ。それとも我々の知らない切り札があるというのか……?」
「切り札、ですか?」
「失礼します!」
シードの推測に副官が首を傾げたその時、一人の兵士が入って来た。
「どうした?」
「要塞司令部への連絡は完了。ただ、遊撃士協会の王都支部への連絡ですが……。何かトラブルでもあったのか先方に通じない状態です。」
「なに……?」
「いかがしますか?」
「ふむ、そうだな……。……念のため保険をつかわせてもらうか。副長、ここは任せた。私はしばらく通信室に詰める。」
「了解しました。して、どちらに連絡を?」
「もう一度、要塞司令部だ。」
そしてシードは通信室に向かい
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ