第36話
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行船に乗ったミュラーを見送っていた。
「それではな、オリビエ。俺が留守のあいだ、問題を起こしてくれるなよ。」
「フッ、安心してくれ。このボクが、愛しいキミに心配をかけたことがあったかい?」
「今更すぎて心配する気にもなれん。せめて問題は起こしてくれるな。」
酔いしれている様子のオリビエに見られたミュラーはなんでもない風な様子で注意をした。
「うーん、善処しましょ。」
そしてミュラーを乗せた飛行船は飛び立った。
「おーい、オリビエ!」
「おや、君たち。ひょっとしてボクが恋しくてここまで捜しに来てくれたのかい?」
飛行船が飛び立った後、エステルがオリビエに話しかけ、話しかけられたオリビエは尋ねた。
「なわきゃないでしょ。それよりも……今のミュラーさんよね?」
「なんで帝国軍人が定期船なんか使ってるんだ?」
「ああ、何でも軍務でボース地方に行くそうだよ。空賊団が使っていた飛行艇があっただろう?あれを回収するつもりらしい。」
エステル達の疑問にオリビエは答えた。
「空賊団の飛行艇ってあの緑色の小型艇よね。でも、なんでミュラーさんが?」
「知っているかもしれないが、あの飛行艇はエレボニア製でね。それを使った空賊団はいまだ捕まっていないらしい。帝国政府としては証拠を回収して犯人調査に協力したい……そう王国に打診したそうだよ。」
「ふ〜ん?よく分からない理屈ね。」
「そうだよね。エレボニアの人達は空賊さん達を知っているのかな?」
オリビエの説明にエステルとミントは首を傾げていた。
「ま、空賊団がエレボニアの元貴族だったというのはあまり外聞が宜しくないからね。できれば不戦条約締結の前にうやむやにしておきたいんだろう。共和国あたりが突っ込む前にね。」
「空賊団が元帝国貴族って……。ええっ、あのボクっ子たちが!?」
ジョゼット達の事実を知ったエステルは驚いて声を上げた。
「あれ、知らなかったのかい?カプア男爵家と言って帝国北部の小領主だったそうだよ。数年前、莫大な借金を抱えて領地を手放したそうだがね。」
驚いているエステルを意外そうな表情で見たオリビエは説明した。
「そ、そんな事情があったんだ……。なんて言うか……微妙に可哀想な連中ね。」
「そうだよね……ずっと住んでいたお家がなくなるなんて、悲しいもん……」
「ケッ、だからといってまったく同情の余地はねぇな。」
同情しているエステルとミントと違い、アガットは鼻を鳴らして答えた。
「まあ、そういうわけでボクは見送りに来たんだが。君たちはどうして空港に?」
「あ、実はレンを捜しに来たんだけど……。オリビエ、見かけなかった?」
「レン君?って、そ
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