暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
StrikerS編
110話:『星々(れきし)』(中編)
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があるのだと、だから戦い、生き残らなければならないのだと。
双方が力を籠め、ほぼ同時に互いを押し出す。と同時に、剣を持つ男は剣を振り上げる。
三度繰り出される白刃、それを潜るように避けると、男は撥を捨て手を突き出す。
伸ばした手は、臨んだ未来を掴めるか。伸ばされた手を、掴むことができるのか。
それを知っているのは、果たして自分か? それとも―――
『助けてって、守ってって、誰かが君に手を伸ばして来たら……君はいったい、どうするかな?』
見ないフリをして、そこを通り過ぎる? それとも後ずさりして、そこから逃げ出す?
横の方から現れた男性は、こちらに向かって歩きながらそう問うた。
旅人のようなエスニックスタイルの格好に、長い木の枝の先に男性用パンツを干しているという、なんとも奇抜な男性だった。
その格好に、思わず笑みを浮かべてしまうが、改めて彼の問いに答えることにした。
「出来得る限り、その手を掴むために…伸ばすと思います。それがどれだけ難しいことでも…例えその人が本当に救えない状況にあったとしても」
『……そう…』
でも難しいことをしようとすると、きっとそれが空回りしてしまう。
人ができることなんて、いつでもどこでも、目の前で起こってるたった一つの出来事だけ。だから俺は、助けていいのは自分の手が直接届く範囲までなんじゃないかって思う。
「…そうかも、しれません。でも…それでも俺は、後悔したくないから」
これから先、どんなに偉い人になっても強い人になっても、大人になったとしても。
どんな人でも、過去に置いてきた悔しさには…絶対に勝てない筈だから。
『……それはとっても、大変なことだよ? それでも―――』
「それでも、です。その為にこの力があるし…その為に俺は、仲間と一緒に進んでいくんです」
その言葉に、彼は『そっか…』と小さく返す。そして少し俯いたまま、前を素通りして少し先まで進む。
このまま去るのだろうか、とも思った瞬間、彼は振り向いてこう言った。
『―――いいね、そういうの』
笑みを浮かべている彼の横には、こちらを指差す右腕が浮かんでいるように見えた。
頑張ってね、応援してる。
そう言うと彼は隣にいる腕と共に、光へと変わる。ベルトの赤い宝石まで移動し、中へと消える。新たな炎≠ェ灯り、その存在を主張する。
同時に新たな星が光り、星の群れを作る。強く光る星が円を描くように配置され、己の願い―――欲望≠フ紋章を形作る。
強く光るその星に、ゆっくりと手を伸ばす。そしてその星を手に収めるように、ギュッと手を握りしめ
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