暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
StrikerS編
110話:『星々(れきし)』(中編)
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ならあの人達≠ヘ、お前を選んだとでも言うのか!」


 そんなこと、認められるか…認めてたまるか!
 叫び、銃を構える男。放たれた弾丸は正確に彼を襲い、火花を散らす。


「俺≠ヘお前≠超えなきゃならないんだ…そうじゃなきゃ、ここ≠ノいる意味がない!」
「ここ≠ノいる、意味…」
「俺≠ヘ―――お前≠ナなければならないんだ!」


 銃を剣に変え、相手に向かって行く男。対する男は、迎え撃つ構えをとる。
 一度握った拳を少し開き、腕を振って手首を小さくスナップさせる。















 背中を向け、気だるそうに立つ男。見上げる先には数々の星が瞬いている。
 しばらくそれらの星々を見つめていたと思ったら、男は口を開いた。

 それは、小さな地球(ほし)の話。
 悲しみは繰り返され、信じてた未来が崩れ去っていく。そんな話。

 戦い勝つことと、誰かを護ること。誰かを信じること、誰かを疑うこと。正反対の事柄によるジレンマは、終わることはない。
 戦うことでわかる過酷な運命、護ることで気づく人の嫌な部分。そういったものは見えるのに、真実は…未来(さき)は見えないまま。


『………』
「………」


 苦しくて、悲しい物語。それは『現実』という題名の物語だ。
 人が生きていくのに、誰しもが直面するもの。それはお前でも変わらない。前へ走り続けるというなら、乗り越えなくてはいけない。

 それでも、行くのか…?


「―――そうでもしないと、叶えられない理想(ゆめ)があるから」


 走り続ける、突き進み続ける。その理想(ゆめ)の為、未舗装の険しい道を進み続ける。
 その意思を…決意を感じてか、男は肩を落とし下を向いた。

 理想(ゆめ)か…。小さく呟かれた言葉に、思わず難しい表情を浮かべる。


『なら…進め、自分の道を』
「……はいッ!」


 小さく笑うと、彼は光へと変わりベルトへ消える。バックルの白い部分に、新しい炎≠ェ光る。
 新たに光る一つの星。周りに二つの大きな星と、無数の小さな星々。それらの星々が描くのは、彼らが追った理想の―――夢≠フ軌跡。

 自らの理想を胸に、自分達はどこへ行くのだろう?















 横一閃に振り抜かれようとしている剣を、刃のない部分を狙って右手で受け止め、逆に左拳を振り抜く。
 その一撃に呻き一瞬止まったところに、右拳が襲い掛かる。

 男はそれを受けつつも、剣を咄嗟に逆手に持ち替え、一歩引きながらも振り抜き、斬りつける。
 「ぐっ…」と小さく呻くが、それでも尚左足を振り上げ、相手の腹部を蹴り上げる。



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