第35話
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。」
「……失礼します!」
エステルとアガットが相談していたその時、シードの副官が急いだ様子で広間に入って来た。
「なんだ、どうした?」
「えっと……」
首を傾げているシードに副官はエステル達を見た。
「問題ない、彼らは協力者だ。」
「は、それでは……。先ほど、レイストン要塞から導力通信で連絡がありました。どうやらボース地方に情報部の残党が現れたようです。」
シードに促された副官は情報を報告し始めた。
「えええっ!?」
「なんだと!?」
「ふむ、詳しく話してくれ。」
副官の情報にエステルとアガットは驚き、シードは冷静な様子で続きを促した。
「それが、最初に発見したのはギルドの遊撃士だったらしく……。正確な現地の状況はいまだ掴めていないようですね。とりあえず、司令部からは全王国軍部隊に第2種警戒体制に入るようにと指示がありました。」
「そうか、分かった。……どうやらお互いに忙しくなるかもしれないな。」
副官の報告に頷いたシードは真剣な様子でエステルとアガットを見た。
「ああ、そうだな。エステル。急いでギルドに戻るぞ。」
「うん……!シード中佐。警備のお仕事、頑張ってね!」
「ああ、そちらも頑張ってくれ。」
そしてエステル達は広間を出て、レンとティータと合流したエステル達はエルベ離宮を出た時、入口で騒ぎが起こっているのに気付いた。
〜エルベ離宮前〜
「あれ……?」
エステルは自分達の行く先で数名の兵士に怒鳴っている人物に気付いた。
「どういうことだ、これは!?この最高位の王位継承権を持つデュナン・フォン・アウスレーゼを馬鹿にしておるのかっ!?」
「め、めっそうもありません。実は今朝、エルベ周遊道で魔獣の掃討作戦がありまして……。ですから護衛の数はこれだけでも充分かと存じます。」
自分達を怒鳴る人物――デュナンに対し、隊長格の兵士が恐る恐る答えた。
「そういう意味ではない!私ほどの重要人物に対して護衛が3人のみとは無礼千万!せめて10名は用意するのだ!」
「し、しかし……」
「閣下……あまり無理を申されては。せっかく陛下のお許しが出たのです。それだけでも僥倖だと思いませんと……」
兵士達を困らせているデュナンを傍に控えていたフィリップは諌めようとしたが
「黙れ、フィリップ!そもそも処分そのものが不当極まりなかったのだ。ならば親衛隊の全隊士をもって出迎えるのがスジであろう。」
デュナンは聞く耳を持たず、不満を隠さない様子で答えた。
「えっと、親衛隊全員とはさすがにいかないんだけど……。よかったらあたしたちが一緒に付いてってあげようか?
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