第34話
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ベールは遥かに離れている。陸路で来るにはとてつもなく手間もそうだが、時間がかかりすぎる。」
アガットの話を聞いたエステルは驚き、オリビエは推測をしたが、ジンは首を横に振って否定した。
「そうですね…………だとすれば、ご両親が偽名を使っていたのかもしれませんね。」
ジンの意見に頷いたエルナンは真剣な表情で言った。
「ぎ、偽名……」
エルナンの推測にエステルは信じられない表情をした。
「後ろ暗いことがあったのか、トラブルを恐れていたのか……。いずれにせよ、旅に出る前から危険は予測していたみたいだな。」
「………………………………」
アガットの推測を聞いたエステルは心配そうな表情をした。
「レンさんのご両親については各地のギルドにも連絡しました。今はあせらず、情報が入るのを待った方がいいかもしれませんね。とりあえず、レンさんですが……しばらくギルドで預かった方がいいかもしれません。」
「うん……トラブルに巻き込まれる危険もあるしね。えっと、よかったらあたしに預けてくれない?他人事とは思えないし……」
「そう言って頂けると助かります。王都滞在中、皆さんの宿泊はギルドが手配させていただきます。レンさんの宿泊費も持たせて頂くのでご安心を。」
「正直、助かっちゃうわ。あ、そういえばヒルダさんの話があったっけ?」
そしてエステルはアガット達に王城に泊まってはどうかという申し出があったことを説明した。
「ほう、そんな話が……」
「……俺は遠慮するぜ。何度も泊まるにはさすがに堅苦しそうだ。ホテルの方が、何か起こった時ギルドと連絡がつきやすいしな。」
「それは確かにそうかも……。レンちゃんの両親の連絡が入ってくるかもしれないし。クローゼ、悪いんだけど……」
アガットの話を聞いたエステルは頷いた後、申し訳なさそうな表情でクロ―ゼを見た。
「ふふ、お気になさらずに。ヒルダさんの方には私の方から説明しておきます。」
「ボクとジンさんはそれぞれの大使館泊まり。姫殿下はグランセル城泊まり。君たち2人と年少組はホテル泊まりというわけだね。その前にどうだろう。せっかくだから、ミント君が戻って来たら酒場で一緒に夕食を共にしないかい?」
「あ、いいかもね。オリビエのピアノも久しぶりに聞いてみたいし。ミントも喜ぶと思うわ。」
オリビエの提案にエステルは頷いた。
「フッ、嬉しいことを言ってくれるじゃないか。エステル君もようやく大人の味が判ってきたようだね♪」
「いかがわしい言い方するんじゃないわよ。」
「しかし、そういう事ならすぐに出かけた方がいいな。これだけの大所帯だ。席がなくなる可能性もある。」
「じゃあ、あたしは残ってミントを待っているね
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