第34話
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「なぬ〜っ!?し、仕入れたばかりの最新のネタだっつーのに……」
エステルから話を聞いたナイアルは驚いた後、肩を落とした。
「こりゃ、聞くだけ無駄か。」
「うん、他を当たった方がいいかもしれないわね……」
そしてエステル達が帰ろうとしたその時
「ちょ〜っと待ったあっ!そこまでコケにされちゃあリベールきっての敏腕記者、ナイアル・バーンズの名がすたるぜ。いいだろう……現時点での俺様の推理をお前さんたちに聞かせてやるよ!」
ナイアルは慌ててエステル達を呼び止めた。
「ふーん……」
「フッ、手短に頼むよ。」
「ぐっ……いいかよく聞け。俺はな、今回の事件は愉快犯の仕業だと睨んでいる。」
あまり乗り気でないエステル達に唸った後、ナイアルは話しだした。
「うーん、それはあたしたちも考えたけど。」
「そう確信する理由を聞かせてもらいたいもんだな?」
「記者としての経験から言うと……あの脅迫状にはリアリティがないのさ。そもそも脅迫状ってのは具体的かつ現実的な要求を掲げて初めて意味があるもんだ。だが、あの脅迫状にはそれがない。」
「フム、確かにそれはそうだね。単に『災いが起こる』だけじゃ関係者としても対応しようがない。」
ナイアルの話を聞いたオリビエは頷いた。
「そういうことだ。とても本気で、条約そのものを妨害するつもりだとは思えねぇ。誰だか知らんが、世間を騒がして喜んでいるだけだと思うのさ。」
「な、なるほど……」
「一理ありそうですね。ただ、脅迫状が10箇所、それもシルヴァン皇帝陛下宛にも届いたのが気になりますけど……。どれも条約に関係している所ばかりのようですし。」
「確かに、ただの愉快犯にしちゃ事情を知りすぎているようだ。」
「うーん、それを言われると……。ただ、そうした事情ってのはその気になれば調べられるもんだ。とりあえず、俺は愉快犯の前提で情報を集めてみようと思っている。お前さんたちは、別の視点から動いてみるのもいいだろうさ。」
クロ―ゼやジンの話を聞いたナイアルは考え込んだ後、答えた。
「うん、そうね。ありがと、ナイアル。結構、貴重な意見だったかも。」
「フフン、そうだろ?まあ、何か分かったらお互い情報交換するとしようぜ。俺も不戦条約の締結までは王都に腰を据えるつもりだしな。」
「あ、そうなんだ。そういえば……ドロシーはどうしてるの?」
ナイアルの今後を聞いたエステルは社内にいなかったドロシーの事を思い出して、尋ねた。
「ああ、あいつならボースに出張中さ。ちょいと写真を撮ってきてもらいたくてな」
「特集?」
「王国軍関連の特集さ。空賊どもが使っていた中世の砦があっただろう?今、あそこ
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