第25話
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れば、ヴァルターを戦闘不能にまで持ちこめた筈よ。」
「仕方ねえだろ……。そこまで大層なモンとは思わなかったんだ。それにあの場はエステル達の安全を優先すべきだと思ったんだしよ。第一、そのあたりの事情をロクに説明もしないでエルモに急がせたのはお前だろうが。」
微妙にキリカに責められたジンは言い訳をした。
「ええ、私の判断ミスね。そのくらい説明しなくても察してくれると思ったのだけど。」
「グッ……可愛くねぇやつだな。」
キリカの答えを聞いたジンは呻いた。
「ともかく、これで地震の調査は終了ね。調査に対する報酬を渡しておくわ。」
そしてキリカはエステル達にそれぞれ報酬を渡し、さらにミントには推薦状を渡した。
「わーい!2枚目の推薦状だ!」
「おめでとう、ミントちゃん!」
推薦状をもらったミントははしゃぎ、ティータは祝福した。
「ありがと、キリカさん。でも結局、あのグラサン男、2人のどういう知り合いなの?」
「そうだな。何て説明すりゃあいいか……」
「端的に言うと、かつての同門の弟子同士ね。私とジンとヴァルター……。彼が一番年上でいわゆる兄弟子だったわ。」
エステルの疑問に言いにくそうにしているジンと違い、キリカはハッキリと答えた。
「同門の兄弟子……武術の先輩ってことか。」
キリカの説明を聞いたアガットは意外そうな表情をした。
「まあ、正確に言えばキリカは弟子じゃないんだがな。リュウガ師父の……」
ジンが説明を続けたその時キリカが割り込んだ。
「私のことはどうでもいいわ。とにかく、その男は『泰斗流』の門下だった。そして6年前、道場を出奔して『身喰らう蛇』にスカウトされた。簡潔にまとめるとこうなるわね。」
「キリカ……」
「それだけ聞けば十分だ。しかし、アンタらと同じ『泰斗流』の使い手か……。化物じみた強さも肯けるぜ。」
アガットはヴァルターの強さを思い出し、悔しそうな表情をした。
「道場にいた時よりもさらに凄みを増していやがった。達人クラスと言ってもいいだろう。……ただ、エステルの使い魔達にあそこまでやられていたのを見た時は正直驚いたが。」
アガットの言葉に頷いたジンはエステルを見た。
「えへへ…………みんな、昔に凄い戦いを生き抜いて来たっていうし、『執行者』なんて相手にならないわ!」
「なんで、そこでお前が得意げになるんだよ…………あいつらの主として、自分があいつらより実力がない事に情けないとは思わないのかよ………」
得意げになっているエステルに呆れたアガットは指摘した。
「うっさいわね!それぐらい、わかっているわよ!」
アガットの指摘にエステルは頬を膨らませて答えた。
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