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ソードアートオンライン アスカとキリカの物語
プロローグ 平和な日常
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ではない。むしろあらゆるスポーツも器用にこなせる。
付け加えて、明日香の父親は結城彰三。大手電子機器メーカー、レクトの代表取締役社長である。
容姿端麗、頭脳明晰に加えて金持ちのお坊ちゃん。
これだけの条件が揃っていてモテないほうがおかしい、というのが明日香の親友、命の言である。
不本意なことであるが、そこは物わかりの良い明日香、客観的に見れば自分がモテることも理解している。


明日香は人付き合いが嫌いなわけではない。親友の命と話すときは楽しいと感じているし、冗談も言う。
女子とも必要があれば、しゃべることに抵抗を感じるというわけではない。むしろ一般的な男子に比べれば、女子と話すのは上手な方だと言える。
異性に興味が無く、誰に対しても同じ態度を取ってしまうだけなのだが、その下心の欠片も感じさせない態度が,告白される要因の1つになってしまってもいる(らしい)。



典型的なリア充として高校生活をエンジョイすることが可能だが、現状明日香には誰とも付き合うつもりなどない。
何故? と聞かれても上手く答えることが出来ない。が、なんとなく自分の容姿や成績だけの上っ面だけ好きになってくれても嬉しくないのだ。
周りが・・・・・・母親が望むように演じてきた自分を好きになられても嬉しくない。
幼い頃から母親の言うとおりに進んできた自分の姿を本当の自分であると思いたくない。

じゃあ逆に、本当の自分は一体どのような人間で、どのような人なら好きになり、付き合っても良いと思っているのか?
残念なことに、明日香はその問いに対する答えを持ち合わせていない。
必要なこと以外排除して生きてきたので、恋愛についての情報は飛鳥の膨大な知識の中にはインプットされていないのだ。


彼女が欲しくないわけではないし,明日香も男だ。人並み以下ではあるが,性的欲求も持ち合わせている・・・はずだ。
だが,断り続けて,振り続ける。
自分の中で答えが見つかるまで,好きな人が見つかるまで明日香は付き合う気など無い。
更に明日香は高校受験を控えたこの時期にその問いに対する早急な答えを出す必要はないという結論に達している。
故に告白をする相手が誰であれ、振るという選択肢しか明日香は持ち合わせていなかった。



放課後、三年の校舎裏で「ゴメン。付き合えない」だけの相手への思いやりもへったくれもないような振り方をして(相手の女子は少し泣いていたような気がする)、ものの数分で校舎裏から戻ってきた明日香に、下駄箱で待ってくれていた命が話しかけてくる。

「相変わらず早いな。5分と掛かってないぞ?」
「断りの返事をするのに長々としゃべってどうする」
「そりゃ、そうだけどさー・・・こう・・相手への思いやりを込めて話すようにしたら?さっきの女の子、泣きなが
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