第105話
[2/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
あかんで。そんで厨房に忍び込んでつまみ喰いしては怒られて………」
「っ………もういいです!」
ケビンに自分にとって恥ずかしい昔話を出されたリースは顔を赤らめて無理矢理話を終わらせて、先に進もうとしたが
「ああ、待った待った!」
ケビンが慌てた様子でリースの進む先を防いだ。
「………邪魔です。どいて下さい。」
「悪かった。謝るって。懐かしかったからつい悪ノリしてもうた。」
「………別に。謝罪の必要はありません。あなたの謝罪ほどいい加減で、その場限りのものはありませんから。」
「おっと、調子が出て来たな。一つお願いやねんけど………それ、止めへんか?」
「………何のことですか?」
ケビンの頼みを聞いたリースは訳がわからない様子で尋ねた。
「その丁寧口調や。他の連中にならともかくくすぐったくて仕方ないわ。」
「……………………………」
「それとグラハム卿いうのも止めてくれ。昔通り呼び捨てでいい。」
「お断りします――と言ったら?」
「拝み倒す。お前が『うん』と言うまでひたすら土下座させてもらうわ。」
「………やっぱり。」
ケビンの答えをある程度予測できていたリースは予測通りの答えに呆れた様子で溜息を吐いた。
「ま、三つ子の魂百までとも言うからな。腐れ縁のノリっちゅうんはそうそう変わらへんってことや。」
「………………の方から………としたくせに…………」
「ん、何か言ったか?」
「―――いえ。仕方ありませんね。ご命令とあらば―――」
「ちゃうちゃう、命令やない、お願いや。そこんトコ間違わんといてや。」
「くっ…………ケビン。相変わらずワガママ過ぎ」。
ケビンの説明を聞いたリースはケビンを睨んだ後、目を閉じて考え込み、そしてかつてケビンと接していた口調でジト目でケビンを睨んだ。
「っ………ははっ………そうそう、それやで!」
ようやく見せたかつてのリースの口調や態度に驚いたケビンは安堵の表情でリースを見つめた。
「言っておくけど、言葉遣いを戻しただけ………あなたが守護騎士で、私が従騎士なのは変わらない。そこの所、間違わないで。」
「うん、そやな。昔に戻るなんて………そんなの出来るわけないもんな。」
「………………………………」
寂しげな笑みを浮かべて語るケビンにリースは何も返さず黙り込んでいた。
「さてと………もう一つ提案なんやけど。最終便までもう少しあるし、東街区にある百貨店に寄らへん?船ん中で喰えるパンでも買っとこうや。」
「………それは賛成。残り物はぜんぶ買い占めてもいいくらい。」
「そこまで腹ペコやったんかい………」
その後二人は百貨店で食
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ