第18話
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装置単体の能力では目の前にしか投影できないが……。『ゴスペル』の力を加えるとこのようなことも可能になる。」
『ゴスペル』から黒い光があふれだすと、ブルブランの映像が急にエステルたちの後ろに移動した。
「きゃっ……!?」
「わわっ……」
「ひゃぁっ!?」
いきなり自分達の後ろに現れたブルブランの映像を見て、エステル達は驚いた。そしてブルブランの映像はエステル達の周りを何周か廻った後、ブルブランの元に戻り、ブルブランがスイッチを押すと映像は消えた。
「―――とまあ、こんな感じだ。フフ、ルーアン市民諸君にはさぞかし楽しんでもらえただろう。」
「チッ……。つまり、単なる悪ふざけだったわけか。」
「そうだよ!あなたの悪戯のために、ルーアンの人達が怖がっているんだよ!?」
ブルブランの言葉を聞いたアガットとミントはブルブランを睨んだ。
「悪ふざけとは人聞きが悪い。選挙で浮かれる市民たちに贈るちょっとした息抜きと娯楽……。そんな風に思ってくれたまえ。」
アガットとミントの言葉を聞いたブルブランは心外そうな様子で答えた。
「カ、カラクリはわかったけど……いったいどうしてこんな事をしでかしたのよ!?『身喰らう蛇』って……いったい何を企んでいるわけ!?」
ブルブランの話を聞き、呆れながら納得したエステルはブルブランを睨んで叫んだ。
「フフ……それは私が話すことではない。私が、今回の計画を手伝う理由はただ一つ……。クローディア姫―――貴女と相見えたかったからだ。」
「えっ……?」
ブルブランに名指しをされたクロ―ゼは驚いた。
「市長逮捕の時に見せた貴女の気高き美しさ……。それを我が物にするために私は今回の計画に協力したのだ。あれから数ヶ月―――この機会を待ち焦がれていたよ。」
「え、あの、その……」
ブルブランの話を聞いたクロ―ゼは何の事かわからず、戸惑った。
「……市長逮捕って、ダルモア市長の事件よね。な、何であんたがあの時のことを知ってるのよ!?」
「フフ、私はあの事件の時、陰ながら君たちを観察していた。たとえば……このような方法でね。」
エステルに尋ねられたブルブランは一瞬で執事の姿に変えた!
「ええっ!?姿がいきなり変わった!?」
「まさかあの時いたダルモア家の……!?」
いきなり姿を変えたブルブランを見てミントは驚き、クロ―ゼは察しがついて信じられない表情で変装したブルブランを見た。そしてブルブランはまた一瞬で元の仮面と白マントの姿に戻った。
「怪盗とは、すなわち美の崇拝者。気高きものに惹かれずにはいられない。姫、貴女はその気高さで私の心を盗んでしまったのだよ。他ならぬ怪盗である私の心
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