暁 〜小説投稿サイト〜
異世界に呼ばれたら、魔法が使えるようになりました。
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まず、結果を話そうと思う。
僕が触れた瞬間に、世界各地で大きな変化が観測されたそうだ。
以前僕達が入り込んだこの“ニートナ備忘録”の作者も、後に会いに行ったけれどそれを観測し、そして安定化したと喜んでいた。
同時に僕は異世界人の中でも特に強力な力を持っていたらしい。
さて、遺跡を起動させて観測した瞬間をレイアをとらえようとした人達がするはずもなかったので、とりあえず岸に戻った僕達は丁度捕らえられたリリアとエイダを奪還してそのまま全力でその場を逃走した。
遺跡には魔力を限界まで注いだのでこれでどうにもならなければレイアを放り込んでも無理、という説明を僕達はするためにレイアの住んでいた城に急いで戻ることとなった。
そうして城に戻るまで馬車を乗り継ぐ。
数日かかって戻ったわけだけれど、特に折っても無くすんなりと戻ってこれたのは、多少の時間差はあるけれどその世界の変化を観測したためだからだそうだ。
レイアの父母に物凄く僕が感謝されてしまったのは、当然の成り行きだったように思う。
それから、僕の歓迎パーティがあって、後はリリアに作った杖を使う機会があまりなかったのを愚痴られたので、その内使用する約束を取り付ける。
そう言った事があってから以前のあの、“ニートナ備忘録”の作者に会いに行ったのだけれどそこで、
「黒い怪物だと?」
詳しく聞かれて、その怪物について説明すると、どうやら昔から強敵と思われていた危険な封印された怪物であったことも発覚した。
けれどそれも難なく倒したと伝えると、これまでの苦労は一体と悩まれてしまった。
そんなこんなで異世界で出会った人達とお別れの日がやってくる。
元の世界に戻してもらえるのはありがたかったけれど、気になるのも一つ。
そこで送還される前にレイアが僕の手を握る。
「また、会えますか」
その問いかけに僕も、それが望みだったから。
「また、会いたい」
それにレイアは微笑んだ。
そして、呼び出しやすいようにと赤い石を僕に渡してくる。
この世界の物があると、見つけやすいのだそうだ。
大事にしよう、そう僕は思う。
その後、すぐの僕は変わった魔法陣の上に連れてこられて、まばゆい光に包まれたのだった。
目を覚ますと、ベンチの上だった。
どうやら座って僕は眠っていたらしい。
全部が夢だったのだろうか?
「そんな終わり方は嫌だな。レイアに会いたいし。それにリリア達とも約束があるし」
一人小さく呟く。
呟いてから、そっと手の中にある感触に気付いて、開く。
手の平にころんと赤い石があった。
「夢じゃなかった」
僕はそう小さく笑う。
また会える
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