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SAO−銀ノ月−
第百六話
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であるルクス目線からすれば、感極まったものに違いない。

「ファン冥利に尽きるわねぇルクスも。……そういえば、ショウキはどうして貰ったの?」

「あー……偶然、会ったんだ」

 本当はユウキとセブンへの水泳授業の時にチケットは貰い、リズやキリト達に渡してもらうように頼まれたわけだが。あの水泳授業の件は二人の教え子の名誉に関わるので、三人の秘密として粛々と処理されるべきだ。

「ふーん、まあいいわ。それよりルクスは何か用?」

「えっと、その……お客様の紹介なんだけど」

 そんなこちらの事情にリズがどう思ったかは分からないが、興味なさげにルクスに用件を聞く。見たところ武器が傷ついたように見えない彼女は、少し言い辛そうにしながらも、チラリと店の外側を見た。

「お邪魔するわよ」

「……アシュレイさん?」

 ルクスが目線を向けていた方向から、長身の青年が姿を現した。いや、男装の麗人というべきか――とにかくイマイチ性別ははっきりしないが、俺たちと同じようにレプラコーンの《アシュレイ》というプレイヤーだった。かつてあの浮遊城で、最も早く裁縫スキルを極めてカリスマ――というのを、俺はこのALOになってから知って、実際には件の水着コンテストの時に知り合ったが。

「こんにちは。リズベット、ショウキ。前から伺いたいと思ってたから、ルクスに案内してもらったの」

 せっかくだから何か買っていこうかしら――などとうそぶきながら、アシュレイさんは腕を組みながら店内に入ってきた。注意深く何も見逃さないとばかりに、店内のあらゆるところを物色するアシュレイさんに、こちらからゆっくりと歩み寄る。

「これなんてどうです?」

「あら、かっこいいじゃない。いただこうかしら」

「……早いわね……」

 武器として使うのが目的ではなく、現実ならば神社に奉納するような、白木の鞘で作られた日本刀。古来より魔除けの意味が込められてきたソレを、アシュレイさんは知ってか知らずかお買い求めになる。

「それでアシュレイさん。ウチに何か用です?」

 同じ生産職のプレイヤーであるアシュレイさんに、この武具店に来るような用事は特にない筈だが。不思議に思ったリズの質問に対し、アシュレイさんは意味深に微笑んでいた。

「それが最近スランプでねぇ……何か新しい刺激はないかしら、ってねぇ」

「スランプ、ですか……」

 紡いだ言葉の内容に反して、あまり困っていなさそうなアシュレイさんの代わりに、リズが深刻な表情で頷いた。職人プレイヤーにとってスランプとは最大の敵であり、鍛冶屋としてもそれは例外ではない。……ルクスは一人だけ頭を傾げていたが。

「アシュレイさんの新作が出ないのは死活問題ですし……あたしでよければ、何でも協力し
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