外伝〜オーバルギア開発計画〜中篇(前半)
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」
強く祈りを捧げていたマードック工房長はティータに気づいて尋ねたが、ティータが答える前に推測を始めた。
「も、もしや実験に失敗して有毒ガスが発生したのかね!?そ、それとも今度は大爆発して工房の半分が吹き飛んだとか………あ、あるいはレン君を脅迫して滅茶苦茶な金額の研究開発費を出させたとか……!」
「あ、あの………ごめんなさい、工房長さん。お祖父ちゃんもお母さんもいつも迷惑かけちゃって……でも大丈夫です。今日はまだ何も……」
表情を青褪めさせて推測しているマードック工房長の推測を聞いたティータは申し訳なさそうな表情で謝罪した。
「そ、そうか………よかった………女神への祈りが通じたのかもしれない。あ、明日の分もお祈りしておこう………」
まだ何も問題が起きていない事を知ったマードック工房長は安堵の表情で溜息を吐いた後再び祈り始めた。
「あ、あの工房長さん。……実はお願いがあるんですけど……」
「お願い、かね……?」
そしてティータは事情を説明し、両親の帰国書類を用意してくれるよう頼んだ。
「なるほど、今回は空を飛んで帰って来たのか。それではティータ君が驚くのも無理はない……」
事情を聞いたマードック工房長は微笑みながら頷いたが
「み………密入国ッ…………!?」
「あ、そうかも………」
二人が帰国手続きもせずにリベール王国に帰国した事に気づくと表情を引き攣らせて声を上げ、ティータはマードック工房長の言葉を聞いて呆けた表情で呟いた。
「はあぁ、参ったよ。急いで認可証を提出しないと……ティータ君、私の代わりにお祈りしておいてくれないか。今回の発明が、何事もなく終わりますように……とね!」
「あ、はい。………わかりました。」
「よ、よろしく頼むよ!」
「えっと………(お母さんとお祖父ちゃんが無茶しませんように………)」
二人の帰国手続きをする為に急いで教会から去ったマードック工房長の代わりにティータは女神に祈り、祈り終わったティータは不安げな表情をした。
(……でも、わたしに何ができるんだろう……エステルお姉ちゃんやレンちゃんみたいに強くないのに………あの時だって、ユウナちゃんに何も言ってあげられなかった……)
暗い表情でユウナの事を思っていたティータはある事を決意した。
(……そ、そうだ!わたしもオーバルギアの開発に入れてもらおう。パテル=マテルと同じくらいの力があるオーバルギアがあれば……ユウナちゃんの事が少しでもわかるかもしれない……!よ、よしっ!お母さんに頼んでみよう!)
そしてティータは急いで中央工房に向かった。
〜中央工房・工作室〜
「この工作機は新型での、従来の1/10精度で加工
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