外伝〜帝都への帰還〜後篇
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事で王都に用事があったついでよ。……その様子じゃ当分、会えなくなりそうな雰囲気だしね。」
「フッ、ボクの夢はあくまシェラ君みたいな美女と一緒に気ままな日々を送る事なんだがねぇ。」
「はいはい。ま、早くそんな身分になれるようせいぜい頑張りなさいな。そういえば、あの宰相の側にいた若いのは何者なの?妙に隙のない足運びだったけど……」
いつもの調子で語るオリビエに呆れていたシェラザードは気を取り直して、真剣な表情で尋ねた。
「ほう……わかるか、シェラザード。」
「ええ、それはもう。ここしばらく格上の相手ばかりとやり合っていましたから。」
カシウスの言葉にシェラザードは疲れた表情で頷いた後苦笑した。
「……レクター・アランドール。帝国政府から出向していた書記官さ。どうやら今回の宰相の訪問は全て彼が段取りを行ったようだね。何者かは知らないが………相当、優秀な参謀役なのだろう。」
「……オリヴァルト殿下。実はわたくし………あの方のことを知っているのです。」
「え………!?」
「何……?」
「「あら………」」
「それは……本当かい?」
レクター書記官と知り合いであるクローゼをそれぞれが驚きの表情で見つめている中、オリビエは驚きの表情で訊ねた。
「はい…………」
そしてクローゼはレクター書記官が王立学園の前生徒会長を務めていたクローゼの先輩であったこと………そして一昨年の学園祭の後、退学届けを出して学園を去ったことを説明した。
「………なんと………」
「も、もしやそれは………」
「………”鉄血宰相”に連なる者がボクよりも前にリベールを訪れていた。つまりそれは、宰相独自の情報網が既にリベールに構築されていた可能性を示唆している………」
「ふむ………その可能性は高そうですな。情報部のクーデターから今回の”輝く環”の異変まで………その一部始終を把握されていてもおかしくはないでしょう。」
「やれやれ。レーヴェに相談する案件がまた増えてしまったな。」
ミュラー少佐とユリア大尉が驚いている中推測したオリビエとカシウスの推測を聞いたレイスは疲れた表情で溜息を吐いた。
「……………………」
「そんなとんでもない相手を敵に回すなんて、オリビエお兄さんもついていないわねぇ。」
「あ、あんたね……先生の話によるとあんたもそのとんでもない相手に目を付けられているのに何でそんな他人事のように言えるのよ……」
何も語らず黙り込んでいるオリビエに同情しているレンにシェラザードは疲れた表情で指摘した。
「………先ほど、先輩から殿下への伝言を承りました。『踊り疲れた所を、怪物に呑み込まれないように気を付けろ』そして私には『”戦天使”
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