外伝〜帝都への帰還〜中篇
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さか信じられない気分さ。今のエレボニアにおいて恐らく、一番テロの対象として狙われている人間だろうからね。」
「フフ、恐れ入ります。ですが、どうかご心配なく。優秀なスタッフのおかげでテロへの対策は万全でしてね。」
「優秀なスタッフ………たとえばあのレクター君か。」
オズボーン宰相の口から出た人材に心当たりがあるオリビエは真剣な表情で訊ねた。
「フフ、変わり者ではありますがなかなか使える男でして。今回のスケジュール調整からテロ対策まで段取ってくれました。おかげで、このあと安心してクロスベルに向かう事ができます。」
「な………!?」
オズボーン宰相が次に向かう場所を知ったオリビエは信じられない表情で思わず声を上げた。
「クロスベルの政府代表と極秘の会議を行う予定でしてね。最近、共和国の資本が流れ込んで対抗勢力に押され気味なのだとか。一度、行ってみたい場所でしたのでこれを機会に訪れてみようかと。」
「ば、馬鹿な………今のクロスベルは各国の勢力が入り乱れた状況だ!緩衝地帯であるのをいいことにテロ組織や犯罪組織などの温床になっているとも聞く………そんな場所に非公式とはいえ、帝国宰相が乗り込むだと……!?」
「それを言うなら殿下。あなたとて同じことでしょう。そしてかの浮遊都市に乗り込み、視察という大任を果たされて地上に戻られた。フフ、それと比べればたかがクロスベル訪問ごとき、子供の遣いと同じ事。」
「………………………」
不敵な笑みを浮かべて語るオズボーン宰相をオリビエは真剣な表情で見つめていた。
「今、本国で殿下はちょっとした英雄扱いですよ。その殿下が”白き翼”と名高い”アルセイユ”で帝都に凱旋する。”帝国時報社(インペリアル・クロニクル)”を始めとする各方面への連絡もぬかりはない………まさに殿下が見込まれた通り、華々しいご帰還となるでしょうな。」
「…………ッ……………」
自分の目的をオズボーン宰相が悟っている事に気づいたオリビエは唇を噛みしめてオズボーン宰相を睨み
「フフ、どうかこの機会を最大限に活かしてご自分の足場を固めるがよろしい。殿下、私はあなたに大いに期待しているのですよ。」
対するオズボーン宰相は興味ありげな表情でオリビエを見つめた。一方その頃レクター書記官は空中庭園で一人静かに外を見つめていた。
〜グランセル城・空中庭園〜
「…………………」
「ピューイ!」
静かに外を見つめているとジークが空から飛んできて、レクター書記官の前のテラスにとまった。
「ピュイ!」
「よ、久しぶり。変わってないね、お前。」
「ピュイピュピュイ。ピューイ、ピュイピュイ。」
「なるほど………色々とあったみたいだなァ
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