外伝〜帝都への帰還〜前篇
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れと異変終息の見届け役、まことにお疲れ様でありました。」
「なに……大したことはやっていないさ。それに陛下や殿下達、そしてこちらのカシウス准将にも色々と助けていただいたからね。」
「ほう………」
オリビエの話を興味深そうに聞いていたオズボーン宰相はカシウスに視線を向けた。
「……お初にお目にかかる。リベール王国軍准将、カシウス・ブライトと申します。」
「フフ、貴公の高名は我が帝国にも響き渡っている。こうしてお目にかかれて光栄だ。」
「こちらこそ……名高きオズボーン閣下にお目にかかれて光栄に存じます。しかし、よもやこれほどまでに大胆な行動力がおありだとは……どうやら閣下への評価を改める必要がありそうですな。」
オズボーン宰相に視線を向けられたカシウスは目礼をして疲れた表情で答えたが、すぐに表情を引き締めてオズボーン宰相を見つめた。
「なに、こちらも異変に際しての王国軍の対応には驚嘆させられた。いかなる事態にも対応しうる柔にして剛を体現した組織運用……図体ばかり大きい我が軍には望むべくもない理想の形と言えよう。」
「はは、ご謙遜を。かの名高き帝国軍情報部局は閣下自らの肝いりであるとか……その方面での立て直しが急務な我が軍にとっては羨ましい限りです。」
「ハハ……お互い無い物ねだりというわけか。」
「いやはや、そのようですな。」
それぞれの軍の欠点を口にしたオズボーン宰相とカシウスは苦笑していた。
「そういえば………少し気になったのだがこの場に貴公のご息女――――確か名前はレンだったか。その者はこの場にはいないのか?」
「え………」
「…………」
「……なぜ、そこであの娘の話が出てくるのですかな?あの娘は遊撃士であるのですから、政治とは無関係の存在です。」
オズボーン宰相の口から出た意外な人物の名を聞いたクローゼは呆け、レイスは真剣な表情で黙り込み、カシウスはオズボーン宰相を警戒しながら問いかけた。
「フフ、それを答える前に貴公は件のご息女が遊撃士家業の傍らでしている”副業”の事はご存知か?」
「…………ええ。正直そちらを”本業”にした方がいいのではないかと思っているくらい随分と荒稼ぎをしているようですが……それが何か?」
オズボーン宰相がレンが”Ms.L”でもある事に気づいている事を察したカシウスは続きを促した。
「なに……彼女は”ラインフォルトグループ”を始めとした我が国のおよそ四分の一を占める数の企業の”大株主”でもあるからな。エレボニアに加えてリベールやカルバード等各国の多くの企業にとっての”大株主”でもある人物をリベール王国は放っておかず、このような公の場にも招待していると思い、その際に帝国宰相として、我が国の貴族
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