外伝〜帝都への帰還〜前篇
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をして自己紹介をした。
「………あなたが………」
「……………………」
「……貴殿がかの”鉄血宰相”か………」
アリシア女王とクローゼが呆けた表情でオズボーン宰相を見つめている中、レイスは真剣な表情でオズボーン宰相を見つめていた。
「そして我が親愛なるオリヴァルト皇子殿下……ご無沙汰しておりました。1年ぶりくらいでありましょうか?」
「……ああ、そんな所かな。しかし宰相。どうも話が見えないんだが……なぜ、一国の宰相たる貴方が何の前触れもなくこちらに?しかるべき経緯を聞かせて頂きたいものだな。」
オズボーン宰相に会釈をされたオリビエは落ち着いた様子で問いかけた。
「これは失礼……実は先日より東部諸州の視察に出向いていたのですが、予想以上に順調に事が進みまして。いささか余裕が出来たのでこちらに参上した次第なのです。」
「それはそれは……」
「本来ならば殿下のようにまさに『異変』の最中にでも駆けつけたかった所ですが……生憎、南部の混乱もひどくその対応に追われまして。ようやく時間が取れたので思い余って参上させて頂きました。前触れなき無礼をお許しあれ。」
「……なるほど、そういう事情なら是非もない。私のことは気にせず、ご挨拶申し上げるといいだろう。」
「ありがとうございます。それでは……」
オリビエの許可を聞いて頷いたオズボーン宰相は一歩前に出て、アリシア女王達にもう一度会釈をした。
「……改めまして。アリシア女王陛下、ならびにクローディア王太女殿下とレイシス王子殿下におかれましてはご機嫌麗しゅう。この度の異変、貴国にとっては大変な試練であったことでしょう。心からのお悔みと……異変が無事終息したことのお祝いをここに述べさせていただきます。」
「……あ………丁寧なご挨拶、痛み入ります。」
「ご多忙の中、わざわざご挨拶の為の時間を取って頂き、誠にありがとうございます。」
「こちらこそ、異変が帰国の南部にまで影響を及ぼしたこと、かねてより遺憾に思っておりました。なのに、わざわざ宰相閣下にご足労をおかけしてしまうとは……どうか心よりの感謝とお詫びをお受け取りください。」
オズボーン宰相に会釈をされたクローゼは呆けた後、気を取り直して微笑みながら答え、レイスとアリシア女王は静かな表情で答えた。
「なんの、聞けば異変の陰には得体のしれぬ組織が蠢いていたとか。そうとも知らず、ただ貴国の力になりたい一心で軍を動かしたのはあまりに愚かで軽率でありました。さすがに皇帝陛下からもお叱りの言葉を受けたくらいです。」
「まあ………」
「ですが、我が失態もオリヴァルト殿下のはからいで何とか繕われたとのこと……殿下におかれましては心より感謝を申し上げます。そ
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