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ソードアート・オンライン〜Another story〜
マザーズ・ロザリオ編
第230話 想いを胸に いざ戦いへ
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っ、それは私も思い出す事、あるよー。だって、お姉ちゃんの想いが伝わったんだっ、って、嬉しかったから」
「ん――。そうだったな。オレにはちょっと判って無かったが、レイナに色々と教えてもらったから。それよりも、レイナとアスナの料理の事の方が衝撃的だった。――あんなに美味しいモノがあるなんて、ってな?」
料理の事を思い出していたのだろう。
少々、唾液を感じてしまう様だ。随分と感度の良い事である。
「あはっ、それもあるねー。実際に現実世界ででも、できないかなぁ、ってお姉ちゃんと一緒に相談したりもしたんだ」
「へぇ……、それは楽しみだな」
「あははは……。楽しみにしてくれて嬉しいんだけど……、色々と材料が揃って、後はソースを考えるだけ、って所にまで行ったんだけど……鶏肉は兎も角、フォアグラはちょっと大変だし、それに――思い出の中に、思い出のままに、っていうのが良いかな? ってお姉ちゃんと結論付けちゃったんだー。だって、もう二度と味わえない料理、って素敵だと思うから」
楽しみにしてくれているリュウキにそう言うのは少々心苦しい所はあるが、アスナとはそう言う結論になっている。味の細部まで再現する事は、本当に難しいし、よしんば成功したとしても、やっぱり、あの時の感動まで再現するのは難しいだろう。
それならば、思い出もままに、楽しく、美味しい思い出のままに留めておく。胸にしまっておく事が一番だと思えたんだ。
レイナは、頭を少しかきながら、謝罪の気持ちを持って、リュウキの方を見たら、リュウキは残念そうな顔一つしていなかった。
「――レイナやアスナの言うとおり、だな? その方が良い。……過去より、今、そして、
未来
(
さき
)
だから。それに、レイナの料理はどんなものでも美味しいよ。……本当に」
そう言って、ニコリと笑いながら、レイナの頭を二度、三度と撫でた。
きょとん、としていたレイナだったけれど、直ぐにリュウキに負けない程笑顔になった。
「あ、ありがとうっ! リュウキくんっ!」
リュウキの腕をそっと取って、肩に頭を乗せた。そして、レイナはある事を思い出し、口にした。
「あっ、綺堂さんにも色々と教わらないと、だねー」
「ははは。そうだったな」
綺堂、爺やと慕う、リュウキの育ての親の彼は、色々な分野で秀でている才能の持ち主である。人脈の広さもそうだが、綺堂が持っている現実のスキルは、SAOやALO内で取得できるモノの二乗程は軽く超えているだろう。
その中には、レイナは勿論、アスナも惚れ惚れとする料理の腕。
三ツ星レストランの一流シェフも真っ青。一日で裸足で逃げ出しそうな程の腕前。それはまるで、絵画を描く様に、料理を盛り付け、全ての仕草までが完璧。そんな姿を見せて貰った時は本当に圧
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