4部分:第四章
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後
第四章
「あれってキャラが凄い立ってるじゃない」
「まあね」
夏実さんもそれは認めていた。
「キャラを書くのは確かに上手いわよね」
「漫画の方もアニメの方も」
「あんたゲーム持っていたわよね」
「勿論よ」
ゲームまで出ている。どうやらかなり有名な作品らしい。それを聞いてこう思った。自分有名らしい。だとすればどれなのか。ちょっと頭の中で探してみた。
けれどその探索は打ち切った。また里香さんが言ったのだ。
「あの前好きだったキャラの最期なんか」
「凄い最期だったわよね」
「本当に泣いたわよ」
この前の話のキャラらしい。横から聞いて思った。
「もう悲しくて。本当にね」
「私も悲しかったけれどね」
どうやら夏実さんもその作品のファンらしい。話を聞いていてわかった。
「けれどあんた泣き過ぎだったわよ」
「だって。本当に悲しかったから」
里香さんはこう主張した。
「仕方ないじゃない」
「それで。またすぐにあの子に乗り換えたの?」
「前から好きだったのよ」
そう主張していた。
「彼が死んだから一番になったのよ」
「彼の敵陣営なのに」
「それでも。好きだから仕方ないじゃない」
そういうことだった。
「それは」
「まあ。そうね」
夏実さんも遂に折れた感じになった。
「確かにあの子可愛いし」
「けれどね」
里香さんが不意に強い言葉になった。ちらりと横目で見たら表情もそうなっていた。
「彼のことは絶対忘れないわ」
「忘れないのね」
「グッズ。ずっと取っておくわ」
また随分一途だと思った。これに関しては。
「これまで好きになったキャラと同じようにね」
「同じなのね」
「そう、同じ」
そして夏実さんの言葉に頷いていた。
「同じだから」
「好きにすればいいわ。何人好きになってもそこまで貫けるのならね」
「わかってくれて嬉しいわ」
「いえ、わからないわ」
話を聞いていて今の夏実さんの言葉には思わずずっこけそうになった。流石に今飲んでいるものを吹き出しはしなかったけれどそれでもそうなりそうだった。
「私はいつも一人だから」
「ヒロインのあの娘?」
「そう、あの娘」
話を聞いていてレズかと思った。半分本気で。
「あの娘が一番可愛いじゃない、女の子の中じゃ」
「そうね。けれどあんたも変わってるわね」
「何が?」
夏実さんの返事は自覚していない人の返事だった。実は僕も心の中では今の里香さんの言葉と同じことを思った。
「何がって。リアルじゃノーマルなのに」
「ええ」
それを聞いてほっとした。そういうことならと。
「あっちの世界じゃ女の子専門なのね」
「彼氏はリアルで一人でいいのよ」
それが夏実さんの考えらしい。
「だからよ」
「そうい
[8]前話 [1]次 最後
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ