第6話 僕が招いた....
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ゃあ、私たちの気持ちわかってもらえるわけないよ」
最後はポツリと花陽が呟いたように聞こえた。
本当は聞きだしたいところだけど、無意識の呟きごとは基本聞かれたくないことが多い。それ故に僕はその先の事を聞き出すことができんなかった。
「とりあえず春人くん。今日はもう帰ろ?ゴメンねこっちから誘ったのに」
「いやいいんだよ。僕の方こそ...ゴメン。凛ちゃんを怒らせたばっかりに大切な休日をダメにしちゃったよ」
「しょうがないよ。そういうところが春人くんらしいから。でも...」
「でも?」
花陽は一息置いてこう告げた。
「今回は......なんとなく、春人くんらしくなかったかな。私でもそう思うもん。生徒会長と話をしている時の春人くんは、特に...」
......こう花陽に言われたとき、一体僕はどんな表情をしていただろうか。
きっと驚きとか作り笑いとか、そういう表情はしていないはずだ。いや、できなかったはずだ。
凛に言われて。花陽にも同じことを指摘されて......僕が二人を悲しませるようなことをしてその挙句、その原因が絢瀬先輩との会話にあったと。僕が、僕の幼馴染に対する気持ちが揺らいでしまったと。
だから凛は、花陽は怒ってるんだ。花陽なんて本当は僕の事を許せないんだ。
でも彼女は優しいから。凛のことも僕の事も大切だと心底思ってくれているからそうはできないんだ。
────春人くんらしくない
今さっき花陽に言われた一言が頭の中をグルグルと駆け巡る。
そう言われたのは初めてだった。でもわかる。
僕も、さっきの自分は変だったと自覚はしているから。
───僕にもわからないんだよ花陽ちゃん
どうして絢瀬先輩があんなにもキラキラ輝いているように見えたのか僕にもわからない。
「私も今日は帰るね。凛ちゃんには私から言っておくよ」
「う、うん。ありがとう...」
花陽はそうして僕に手を振って別れを告げる。
こうして訪れた関係の悪化。
僕が招いた............結果
だけど、現実は厳しくも僕たちに容赦なく牙を向ける。
月曜日
更なるアクシデントが......幕を開けることになる
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