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衛宮士郎の新たなる道
第22話 真のサムライ?
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 「もうすぐです」

 風間ファミリー達の声には反応しても、自分たちの作業に専念する士郎達。
 そして風間ファミリーたちは、1人1人やりたいように行動し始めた。
 一方で、当の士郎は事前に用意しておいた食材を持ってくるために、近くに停めてあるキャンピングカーまで戻って来ていた。
 食材を一気に運ぶために準備していると、川の方からキャップの楽しそうな声が聞こえて来る。

 「風間はアウトドア好きだって京が言ってたからな。早速釣り上げたんだろうな」

 士郎も以前の世界では、世界中を回った時の生存スキルの一つとして始めた食糧調達が、何時の間にか趣味の一つになっていた事を思い出した。

 「赤い弓兵(アイツ)程はっちゃけた事は無いけど、俺も釣り(アレ)は結構楽しみだからな。クー・フーリン(ランサー)と競い合った時みたいに、風間と勝負するのも面白いかもな・・・・・・っ」

 光の御子、クー・フーリンを思い出すと同時に、色々と因縁深いある女性2人を思い出そうとしたが、強制的にノイズが頭の中で走った。
 士郎はこの世界に転生して来た直後から切嗣に拾われるまで、自分が衛宮士郎だと思い出せない記憶喪失に陥った事があった。
 それまで士郎は衛宮士郎では無く、シロウだけで呼ばれていた。
 これは無理矢理な世界移動と、一気に赤子に転生された時の衝撃が関係していると思われる。
 そして記憶を思い出せてからも思い出せない事が今もあった。
 思い出せない事は幾つかあるが、その代表として終わらない四日間とランサーに深く関係していた2人の女性達の姿は思い出せるのに、名前を如何しても思い出せないのだ。
 他にも思い出せない人物名があるが、そこは今は割合させて頂く。
 だがまぁ、日常生活にはさほど支障をきたす事は無いから、そこは安心と言えるだろう。

 「・・・・・・今さら、無理に思い出す必要も無いか」

 ノイズが収まり、独り言もやめた士郎は、事前の用意していた食材を即席調理場へ運んでいく。
 そこへ、運び終えると川神姉妹と京の姿が無い事に気付く。

 「あれ?直江。川神達と、お前の伴侶はどこ行った?」
 「姉さんなら京とワンコの格闘修業の稽古で奥まで行きましたよ。そ・れ・と!俺と京はそんな関係じゃないと、何度言えば解るんですか!!」
 「勿論理解してるさ。けどやっぱり可愛い後輩だからな、如何しても応援したくなるんだよ」

 何所までも京を薦めてくる士郎に、大和はため息を露骨に吐いた。
 そのやり取りを見ながらモロは、乾いた笑いをする。

 (京ってば、大和が告白を受け入れてくれないから、外堀から埋めていく作戦に出たんだなー)

 モロは京の執着心に、呆れを通り越して尊敬の念すら覚えるのだった。
 そうこう
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