第12話
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たのね。いらっしゃい。よく来てくれました。それと……あなたはアガットさん?」
「ああ。ご無沙汰してるぜ。」
「以前、クラムの件でお世話になって以来ですね。お久しぶりです。あの時はお世話になりました。」
「いや、いいんだ。それよりも、今まで挨拶もナシで申しわけねぇ。」
「あ、あの、孤児院再建、本当におめでとうございます。前のまんまだから驚いちゃった。」
「おめでとう!先生!」
「マノリアや業者の方々のご好意でそうして頂きました。やっぱり、この雰囲気がマーシア孤児院だと思いますから。」
エステル達の祝福を受け取ったテレサは孤児院を見ながら答えた。
「あはは……。うん、ホントにそうですね。えっと……あの子たちは中にいるんですか?」
「ちょうど今、マノリア村にお勉強に行ってるところなんです。週に一度、巡回神父の方が来て日曜学校が開かれるので……」
「そうなんだ……どうしよう。挨拶のついで、あの子たちから話を聞こうと思ったんだけど……」
「話……。ひょっとして、ポーリィが見た『白いオジチャン』のことかしら?」
考え込んでいるエステルが呟きを聞いたテレサは心当たりがあって、尋ねた。
「あ、多分それです!そっか、目撃者はポーリィちゃんだったんだ。確かにあの子、妙にカンが鋭かったし……」
「わあ………ポーリィのそういう所、相変わらずだね♪先生!」
「あの子たちが帰ってくるまでどうぞ、中でお待ちになって。お茶とお菓子をご馳走しますから。ミントも……お帰りなさい。」
「うん!ただいま〜、先生!」
テレサの微笑みを見たミントは無邪気な様子で嬉しそうに言った。
「フフ、ミントったら……。………………………………」
「なんだ、どうした?」
ミントの様子を見て微笑んだエステルだったが急に黙ってしまい、その様子を見たアガットは首を傾げた。
「テレサ先生……。ヨシュアのこと……聞かないんですね。」
「………………………………。……クローゼから聞かせてもらいました。あの子があまりにも悩むから相談に乗ってあげる形で……。エステルさん……色々と大変でしたね。」
「……あ…………。あはは……やだな。……先生みたいな人に慰められたら……あたし……。ガマンできなくなっちゃう……」
「ママ…………」
「………………………………」
テレサに言われ、今にも泣きそうな表情をしているエステルを見て、ミントとアガットはかける言葉がなかった。
「………………………………。我慢する必要なんてありません。大切な人が自分の側から居なくなってしまったのだから……」
そう言ったテレサはエステルを抱きしめた。
「……あ…………」
「何も言わ
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