第11話
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てもらえないかな?」
「あ、でも、その、ねえ……。あまり安請け合いもできないし、考えさせて欲しいなぁ、なんて。」
ジャンの頼みを聞いたエステルはいつもと違い、あまり乗り気でない様子で答えた。
「ママ?」
エステルの様子を見たミントは首を傾げた。
「エステル君、ひょっとして……」
「え、やだ、違うわよ!?全然そんなことないんだからね!?この泣く子も黙るエステルさんが幽霊が苦手だなんてそんなこと…………ゴメンなさい。ちょっとだけ苦手かも。」
「ミントも一緒だよ、ママ!」
ジャンに察しられたエステルは慌てて言い訳をしたが、つい白状してしまって頭を項垂れ、その様子を見たミントが同意してエステルを慰めた。
「あはは。ちょっとどころじゃなさそうだね。まあ、実害があるわけでもないし、この話は無かったことに……」
「いや……引き受けた。」
エステルの様子を見たジャンが頼みを取り下げようとしたがアガットが首を横に振って答えた後、エステル達を見た。
「……忘れんな。俺たちの任務は『結社』の調査だ。少しでも妙な兆候があれば調べて『結社』の関与を検証する。そういう話だったろうが。」
「「あ……」」
アガットに注意されたエステルとミントは揃って声を上げた。
「人間、誰しも苦手なモンはある。たまには弱音を吐くのもいいだろう。だが、何もしてないうちから尻尾巻いて逃げ出すんじゃねぇ。」
「「………………………………」」
「やれやれ。ちょっとキツすぎないかい?」
アガットの言葉を聞いて黙っているエステル達を見たジャンが助け船を出した。
「……ううん。アガットの言う通りだわ。確かに、幽霊とかは苦手だけど……。ヨシュアが消えたことに比べれば、そんなの全然恐くなんかない……」
「うん!ママ達がいれば、ミント、へっちゃらだよ!」
「2人とも………」
エステルとミントの言葉を聞いたジャンは驚いた表情をしていた。
「フン、分かってんじゃねえか。」
「ジャンさん、その調査、あたしたちに任せてもらえる?」
「そう言ってもらえると助かるよ。すでに幾つか証言は集まったんだけど新たに3件の目撃情報が届いたんだ。まずは、エア=レッテンの関所に勤めている兵士の1人でね。夜の巡回中に見かけて腰を抜かしかけたそうだよ。」
「ひえ〜……」
「兵士さん、とっても怖かったんだろうね………」
ジャンから詳細な説明を聞いたエステルは思わず声を上げ、ミントは兵士を可哀想に思った。
「2人目は、『レイヴン』のチームメンバーの1人らしい。これはアガットがいたら聞き込みはしやすいだろうね。」
「ま、拒否したところで力づくで口を割らせてやるさ。」
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