第10話
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カルバード、そしてメンフィルにサンプルが提供される話があるんだが……。その打ち合わせに来たところでエルザ大使と鉢合わせたわけだ。」
「ふーん、そうなんだ。でも、新型エンジンくらいでどうして口論になるのかしら。」
「そうだよね。飛行船が速くなったりするかもしれないのに………」
「そりゃあ、飛行船の性能を左右する最重要の部品だからな。軍艦に搭載されることを考えたらノンキに流せる話でもねぇだろう。」
ミュラーの説明を聞き首を傾げているエステルとミントにアガットが理由を話した。
「なるほど……。確かに、それでエレボニア軍がパワーアップしちゃったらちょっとシャレにならないかも。……あ、ゴメンなさい。」
アガットの言葉に納得した後、エレボニア軍人であるミュラーの目の前でうっかり口を滑らした事にすぐに気付いたエステルはミュラーに謝った。
「いや、確かにその通りだ。普通なら、他国に最新技術を提供するなど考えられないが、これも女王陛下のご意向でね。技術的優位を独占するのではなく、多くの国に提供することで諸国間の平和を確立したい……。そう思ってらっしゃるそうだ。」
「なるほど……。確かにそんな風に言ってたかも。うーん、それを考えるとやっぱり女王様って立派よね。ただの理想というよりずっと先のことまで考えた外交政策っていう気がするわ。………あれ?さっき打ち合わせに来たって言っていたけど、メンフィルの人は来なかったの?」
「いや、もちろん来たさ。ダヴィル大使達が言い争いを始めると、『任務は完了しましたので失礼します』と言って、さっさと去っていったよ。もしかしたら、君達とすれ違ったかもしれないな。」
「もしかして、さっきの鎧を着た女の人じゃないの?」
ミュラーの言葉を聞き、心当たりのあったミントはミュラーに尋ねた。
「恐らくその女性だろう。……彼女の名はシェラ・エルサリス。メンフィル帝国の機工軍団を率いるメンフィルの将軍の一人だ。」
「しょ、将軍〜!?さっきの人、そんな凄い人だったんだ………」
すれ違った女性――メンフィル機工軍団長シェラの事を知ったエステルは驚いた。
「………将軍にしては、礼儀の一つもない奴だったな。俺達が道を開けた時、礼の一つも言わなかったぜ。」
「あんたに言われたかないでしょうよ。」
アガットのシェラに対する印象にエステルは呆れて言った。
「…………彼女はある意味、人形といってもおかしくない存在だから仕方ないだろう。」
「へっ?それって、どういう事??」
ミュラーの言葉にエステルは首を傾げて尋ねた。
「………かつての”百日戦役”の終結する際の会談でわかった事らしいのだが、シェラ将軍は生物ではなく、異世界の古代遺物のような
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