外伝〜祝賀会の夜〜中篇
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……そう言えば先程ルーク兄さんの口から出た人物―――ナタリアさんでしたか?その人の事について話が盛り上がっていましたけど……」
「げっ!き、聞いていたのかよ……」
ヨシュアの指摘を聞いたルークは表情を引き攣らせた。
「……ナタリアとは俺の娘だ。」
「え……バダックさん、結婚されていたんですか!?」
バダックの口から出た驚愕の事実に驚いたヨシュアは驚きの表情でバダックを見つめた。
「うむ……様々な複雑な事情によって俺は妻と娘を失ってしまったのだが………どうやら娘は奇蹟的に生きていたようでな。それでルークはナタリアと親しい関係であってな。お互い忙しい身でゆっくり話すような機会は今までなかったが、こうしてゆっくり生き別れた娘の事を教えてもらえる機会ができたから、娘の事を色々と教えてもらっていたのだ。」
「そんな事情があったんですか………その、バダックさん。生き別れた娘さんに会いに行こうとは思わなかったのですか?」
バダックの説明を聞いたヨシュアは複雑そうな表情でバダックに訊ねた。
「……ナタリア―――いや、メリルは育ての両親に愛情を注がれて立派に成長し、既に結婚もしているとの事だ。今更本当の父親が姿を現せばメリルやメリルの周りの者達を混乱させて、下手をすればメリルが築いた幸せな家庭を崩壊させてしまうかもしれん。娘が生きて幸せになっている……それがわかっただけでも、俺は十分満足している。」
「バダックさん………」
「……………」
バダックの答えを聞いたヨシュアは辛そうな表情をし、ルークは複雑そうな表情で黙り込んでいた。
「……ヨシュア、”家族”は大切にするのだぞ。”家族”を顧みないものは決して幸せになれん。」
「……ご忠告ありがとうございます、バダックさん。その言葉、ずっと覚えておきます。」
その後二人から離れたヨシュアはイオンとアリエッタを見つけ、二人に近づいた。
「イオンさん、アリエッタさん。お二人もまだリベールにいらしていたんですね。」
「ええ。まだやり残していた事がありましたので。まあ、今日の昼にようやく終わりましたから、明日にはアルテリアに戻る事になるのですけどね。」
「そしてその後は、すぐに次の任務、です。総長、人使いが荒い、ですから。」
「まあまあ……」
自分の後にジト目になって答えたアリエッタをイオンは苦笑しながら諫めていた。
「………イオンさん、姉さんの事、本当にありがとうございました。僕達と何の関係もないのに、姉さんの為に古代遺物まで使って蘇生してくれた事、今でも感謝しています。」
「フフ、気にしないでください。僕は聖職者……いえ、人として当然の事をしただけですし、貴方達と縁がある
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