第97話
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て、一端下がり、ヨシュアも武器を構えたまま、エステルを庇うかのような位置に後退した！
「な……！？」
ヨシュアの行動にワイスマンが驚いた事によって魔眼を維持する集中力も切れた為、ルーク達も動けるようになった！
「あれ？身体が動くぞ……！？」
「おお……」
「どうやら金縛りが……解けたようだね………」
「エステル、大丈夫！？」
身体が動けるようになったルーク達はエステルとヨシュアに駆け寄った。
「……ヨシュ……ア……？」
「……ごめん、エステル。ずいぶん辛い思いをさせてしまったみたいだね。」
起き上がって自分を見つめているエステルにヨシュアは優しげな微笑みを浮かべて話しかけた。
「ば、馬鹿な……。あの状態から意志を取り戻せるはずが……」
一方ヨシュアが正気を取り戻した事にワイスマンは信じられない表情をした後、ある事に気付いた。
「待て……！お前……肩の『聖痕』はどうしたのだ！？」
「………………………………。もう僕の深層意識に貴方が刻んだ『聖痕』はない。たった今、砕け散ったからね。」
「な、なにッ！？」
「『聖痕』のある一点に、暗示の楔を打ち込んでもらったんだ。そして、そこに負荷がかかった時、『聖痕』が崩壊するような自己暗示を僕はずっと繰り返してきた。」
「！！！」
「あ、暗示の楔……」
「―――このままだと君との約束が果たせなくなりそうだったからね。都市に不時着した直後にケビンさんにお願いしたんだ。」
「ケ、ケビンさんが！？あ、あはは……。そうだったんだ……
「ケビン・グラハム……。”七の導師”を警戒していたが、まさか新米如きに小癪な真似をされるとは……！」
「フフ……（本当によくやったわね、ケビン……例え目的を果たす為だけとはいえ、それでも貴方は一人の人間を……―――いえ、二人の人間を救ったわ。）」
ヨシュアの口から語られた驚愕の事実にエステルは苦笑し、ワイスマンは悔しさのあまり表情を歪め、アーシアは微笑みを浮かべて心の中でケビンを褒めていた。
「正直、彼には感謝してるよ。そして………この事を僕に気付かせてくれた人にもね。」
「な、なに………」
ヨシュアの話を聞いたワイスマンは狼狽えた後考え込み、そしてある答えに至った。
「まさか………カシウス・ブライトの入れ知恵か！」
「あ………」
ワイスマンの推測を聞いたエステルは出発前にカシウスがヨシュアに手渡した封筒を思い出した。
「そっか……あの時の……」
「うん……手紙にはこうあったんだ。『お前の呪縛を解く鍵はケビン神父が持って
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