第96話
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駆け寄った。
「凄い!凄いよヨシュア!あの”剣帝”に勝ったんだよ!しかも……剣だけを弾くなんて!」
「そうでもしない限り……万に一つの勝ち目もなかったからね。なるべく相手を傷付けずに無力化することを優先する……。父さんに教わった遊撃士の心得が役に立ったよ。」
はしゃいでいる様子のエステルにヨシュアは立ち上がって苦笑しながら答えた。
「そっか……」
「なるほどな……。”教授”に仕込まれた技術と”剣聖”から教わった心得……その2つを使いこなせば俺が敗れるのも道理か……」
「レーヴェ……」
「………………………………。俺は人という存在を試すために”身喰らう蛇”に協力していた。その答えの一つを出した以上、もはや協力する義理はなくなった。そろそろ……抜ける頃合いかもしれないな。」
「あ……!」
レーヴェの口から出た答えを聞き、レーヴェが結社を抜ける事を悟ったヨシュアはいきなりレーヴェに抱きついた。
「良かった……本当に良かった!……レーヴェが……レーヴェが戻って来てくれた!」
「お、おい……」
「フフ………」
嬉しそうな表情のヨシュアに抱きつかれたレーヴェが戸惑っている様子をステラは微笑ましそうに見守っていた。
「父さんに引き取られてからもずっと気にかかっていたんだ……。……声や顔は思い出せるけど誰なのかぜんぜん思い出せなくて……。やっと思い出せたと思ったら……敵として立ち塞がっていて……。……ずっと……不安だったんだ……」
「そうか……」
「あ、あの〜……」
(フフ、あれが素のヨシュアなのでしょうね。)
(ハハ、あんなヨシュア、今まで見たことがないな。)
(ふふっ、今のヨシュアを見たらみんな、驚くだろうね。)
(やれやれ……。マセてても、まだまだ甘えたい盛りのガキってところか。)
(そ、そうなのかなぁ?)
仲間達がヨシュアを微笑ましく見守っている中、苦笑しながらヨシュアを見つめているアガットの小声を聞いたエステルは首を傾げた。
「ご、ごめんエステル……何だかはしゃいじゃって……。まだ何も解決してないのに……」
するとその時エステル達に気づいたヨシュアはレーヴェから離れてエステル達に謝罪した。
「ヨシュア……。もう、そんなことでいちいち謝らなくていいわよ。久しぶりの仲直りなんでしょ?いっぱいお兄さんに甘えなくちゃ!」
「あ、甘えるって……」
「フフ……。エステル・ブライト。……お前には感謝しなくてはな。」
「ふえっ……!?」
レーヴェの口から出た予想外の言葉に驚いたエステルはレーヴェを見つめた。
「ユウナといい、こい
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