最終話(終章終了。SC篇に続く)
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れるけど……今の貴方は以前と違って、何も感じられないわ………本当に貴方は人間なの?」
テトリは悲痛そうな表情で叫び、ニルはヨシュアを睨みながら尋ねた。
「そうだね。………ニルの言う通り、僕は”人間”じゃなく、”化物”だよ。………これからのエステルをよろしくお願いします。」
ニルの言葉に答えたヨシュアはパズモ達に深く頭を下げた後、去って行った。
(エステル……………)
「エステルさん………」
ヨシュアがいなくなったのを確認したパズモやテトリは悲しそうな表情でエステルを見た。
(……いつまでもここに留まっていては、エステルが風邪をひくな。………ニル………我の背にエステルを乗せてくれ。我が部屋まで連れて行く。)
「ええ………」
サエラブの念話に頷いたニルはエステルを抱きあげてサエラブの背に乗せた。そしてサエラブはニル達に念話を送った。
(………エステルが今後、どうするかはわからんが、我等がすべきことは全員わかっているな?)
(ええ!どんな強大な敵が来ようと……エステルは殺させない!)
「はい!我が弓と魔術の力でエステルさんを護る事です!」
「それがニル達の使命なのですから、当然ですわ。」
サエラブに尋ねられたパズモ達はそれぞれ力強く頷いた。
(ああ!これからが我等の真の能力が問われる時だ!全員、心せよ!)
(ええ!)
「はいっ!」
「わかったわ!」
そしてサエラブを除き、パズモ達はエステルの身体に戻った。そしてサエラブはエステルを乗せて、エステルが泊まっている部屋に向かった。
〜グランセル城内・廊下〜
「ん……?」
神妙な顔で廊下を歩いていたカシウスはエステルを背に乗せて歩いている狐――サエラブに気付いた。カシウスに気付いたサエラブはカシウスの前で立ち止まった。
「確か、サエラブ……だったな。わざわざ運んでくれてすまなかったな。」
(………………………)
カシウスの労いの言葉を黙って頷いたサエラブは首をエステルの方にやって、受け取るよう促した。
「……よっと。」
サエラブの意図を理解したカシウスはサエラブの背からエステルを抱き上げた。サエラブはそれを見届けると、光の玉になってエステルの身体の中に入った。
「やれやれ……まさかレナが昔言ってた事が実現するとはな………レナには敵わないな………」
カシウスはエステル達の修行の旅でできたエステルの交友関係を思い出し、苦笑しながらエステルを自分が泊まっている客室に運んで行った。そして部屋にある手紙を見つけ、ヨシュアが去った事を察した…………
〜同時刻・メンフィル大使館〜
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