第120話
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通の人とは違う。どんな時も目的合理的に考え、任務を遂行できる思考フレーム。単独で大部隊と渡り合えるよう限界まで強化された肉体と反射神経。私が造り上げた最高の人間兵器。それが君―――『漆黒の牙』だ。」
「………………………………」
「そんな君が、人と交わるなどしょせんは無理があったのだよ。この先、彼らと一緒にいても君が幸せになることはありえない。」
「………………………………」
「だから、辛くなったらいつでも戻ってくるといい。大いなる主が統べる魂の結社。我らが『身喰らう蛇』に……」
ヨシュアに絶望を与えたワイスマンは最後に言い残した後、その場から去って行った。
「………………………………。これが……罰か………………。……姉さん……レーヴェ……。…………僕は………………。………………………………………………僕は………………」
ワイスマンが去った後、ヨシュアは絶望した表情で何度もうわ言を呟き続けた…………
〜王都グランセル 東街区・夕方〜
「はあ……。ずいぶん待たされちゃった……。何だかんだでもう夕方だし……。ヨシュア……さっきのどう思ったんだろ……。う〜っ……思い出したらまた顔が熱く……」
「おや、エステルさん。」
一方アイスを買いに行ったエステルは溜息をついた後、先ほどの失言を思い出し顔を赤くしたが自分を呼ぶ聞き覚えのある声に気付き、その人物を見て驚いた。
「あれ、アルバ教授。こんな所で会うなんて珍しいわね。」
「はは、そうかもしれませんね。そうだ、先ほどヨシュア君とも会いましたよ。おめでとうございます。正遊撃士になったそうですね。」
「えへへ……まあね。あれ……?」
エステルはアルバの様子がいつもと違うことに気付いて呟いた。
「?どうしました?」
「教授ってば……いつもと雰囲気が違わない?なんだかすごく楽しそうな顔をしてるわよ?」
「………………………………。はは、見抜かれましたか。実は、考古学の研究で色々と進展がありましてね。それで少々、浮かれていたんです。」
アルバと名乗っているワイスマンは自分の今の感情を見抜いたエステルを称賛して、偽りの言葉で自分が浮かれていることを説明した。
「へ〜、よかったじゃない。あ……ゴメン!アイスが溶けちゃうからあたし、これで行くわね!それじゃあ、またね〜!」
エステルはワイスマンの思惑も知らず、祝いの言葉をあげるとヨシュアのところへアイスを持って、去って行った。
「ふふ、なるほど。あれがメンフィル皇帝達の目に止まり、さまざまな種族達を従えるカシウス・ブライトの娘か……。なかなか楽しませてもらえそうだ。……ぬぐ!?」
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