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英雄伝説〜光と闇の軌跡〜(FC篇)
第120話
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「あ、あなたが……。あなたが今回の事件を背後から操っていたんだな!それじゃあ、あのロランス少尉はやっぱり……」

「お察しの通りだ。彼の記憶は消さないであげたからすぐに正体に気付いたようだね。はは、彼も喜んでいるだろう。……それにしても彼も気の毒な事に、”空の覇者”や”戦妃”にずいぶん痛めつけられたようだね。」

ヨシュアの推理をワイスマンは口元に笑みを浮かべて肯定した。

「あ……あなたは……。………………………………。僕を……始末しに来たんですか……!!」

「ふふ……。そう身構えることはない。計画の第一段階も無事終了した。少々時間ができたので君に会いに来ただけなのだよ。」

ヨシュアはワイスマンが裏切り者の自分を始末しに来たと思って本人に聞いたが、ワイスマンは本来の性格が出た醜悪な表情で否定し話を続けた。

「第一段階……。あの地下遺跡の封印のことか……」

「『環』に至る道を塞ぐ『門』……。それをこじ開けることがすなわち、計画の第一段階でね。ふふ……もはや閉じることはありえない。」

ワイスマンは計画が順調に進んだことに気分をよくし、不気味な声で笑った。



「やはり……これで終わりじゃないのか……。『輝く環』とは一体何です!?『結社』は……あなたは何を企んでいるんだ!?」

「それを知りたければ『結社』に戻ってくればどうだい?君ならすぐに現役復帰できるだろう。少々カンは鈍っただろうがリハビリすればすぐに取り戻せるさ。」

「………………………………」

ワイスマンの言葉にヨシュアは無言で怒りの表情でワイスマンを睨み続けた。

「フフ、そんなに恐い顔をするものじゃないよ。わかっているさ。今の君には大切な家族がいる。尊敬できる父親、実の息子のように自分を愛し育ててくれた優しい母親、血は繋がっていないながらも自分を慕う妹代わりの娘。そして……何よりも愛おしく大切な少女……。たとえ『彼』が、こちら側にいてもそれらを捨てるなど馬鹿げた話だ。」

「…………ッ…………」

ワイスマンからエステル達のことを出され、ヨシュアは顔を青褪めさせた。

「だから私は、君に会いに来た。『計画に協力してくれた』礼として真に『結社』から解放するために。……おめでとう、ヨシュア。君はもう『結社』から自由の身だ。この5年間、本当にご苦労だったね。」

「………………………………。………………え…………」

ワイスマンの労いの言葉にヨシュアは驚きの表情で呟いた。

「なんだ、つまらないな。もっと嬉しそうな顔をしてくれると思ったのだが……。ふむ、まだ感情の形成に不完全な所があるのかな?」

「僕が……計画に協力……。……はは……何を……馬鹿なことを言ってるんだ……?」
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