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英雄伝説〜光と闇の軌跡〜(FC篇)
第120話
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私からもお祝いをさせて頂きましょうか。あまり高いものは贈れませんけど。」

アルバはそんなヨシュアの表情に気付き、その表情を解かすために祝いの言葉を言った。

「最初に会った時から……強烈な違和感がありました……。今では少し慣れましたけど……。あなたを見ていると何故か震えが止まらなかった……」

「ほう……?」

ヨシュアの言葉にアルバは何のことかわからず呟いた。

「そして……各地で起きた事件……記憶を消されてしまった人たち……。あなたは調査と称して……事件が起こった地方に必ずいた……。そう……タイミングが良すぎるほどに……」

「………………………………」

「決定的だったのは……クルツさんの反応です……。記憶を奪われたクルツさん……。あの人も、アリーナの観客席で気分が悪そうにしていた……。そして……あなたも同じ場所にいた……」

「………………………………」

「アルバ教授……。あなた……だったんですね?」

アルバは自分に懸けられた疑いを晴らすこともなく、ヨシュアの話に耳を傾けていた。そしてヨシュアはベンチから離れ、アルバの正面に立って睨んだ。



「クク……。認識と記憶を操作されながらそこまで気付くとは大したものだ。さすが、私が造っただけはある。」

アルバは自分に懸けられた疑いに怒るどころか、逆にヨシュアに感心をした後、不気味な声で笑い謎の言葉を言った。

「……え…………」

ヨシュアはアルバの言っていることの意味がわからず、呆けた。

「では、暗示を解くとしようか。」



パチン!!



アルバは少し前に出て指を鳴らした。その時、ヨシュアの脳裏に封印されていたさまざまな記憶が蘇った。

「……………………あ…………。あなたは……。……あなたは……ッ!?」

アルバの正体を思い出したヨシュアは青褪めた表情で叫んだ。

「フフ、ようやく私のことを思い出したようだね。バラバラになった君の心を組み立て、直してあげたこの私を。虚ろな人形に魂を与えたこの私を。」

ヨシュアの表情を面白がるようにアルバは笑顔で信じられない言葉を放った。

「対象者の認識と記憶を歪めて操作する異能の力……!7人の『蛇の使徒(アンギス)』の1人!『白面』のワイスマン……!」

ヨシュアはその場から一歩下がって、アルバ教授を改めワイスマンを睨んでいつでも攻撃できるように双剣を構えた。

「はは……。久しぶりと言っておこうか。『執行者(レギオン)』No.XV。『漆黒の牙』―――ヨシュア・アストレイ。」

自分に武器を向けているヨシュアを気にもせずワイスマンは醜悪な表情で、ヨシュアの真の名とかつての呼び名で久しぶりの再会を喜んだ。


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