第120話
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後の思い出作りをするために、一端別行動にした。
「まったく父さんってば……。生誕祭くらい、王都見物に付き合ってくれたらいいのに……」
カシウスがせっかくのお祭りにつきあってくれないことにエステルは不満を言った。
「すまんが、さっそく軍議があってな。リシャールこそ逮捕されたが、いまだ逃亡中の特務兵も多い。カノーネ大尉も、あの地下遺跡でいつの間にか姿をくらませていた。さらに、大会に参加した空賊団も混乱にまぎれて逃亡したらしい。生誕祭の途中で騒ぎが起こらないよう警備を強化しなくてはならんのさ。」
「まったく……。揃いも揃ってしぶとい連中ねぇ。」
「たしかに、どちらも諦めが悪そうな感じはするね。」
エステルはカノーネや空賊団の性格等を思い出し、溜息を吐いて呟き、ヨシュアも同意するように軽く頷いた。
その後3人は黒のオーブメントやカノーネと同じく姿を消したロランス少尉のことについて話のしていたらいつのまにか城門の前につき、城に入って行くカシウスと一端別れ生誕祭を楽しむために2人は王都に出かけた。そしてエステルとヨシュアは2人で今までお世話になった先輩遊撃士や友達、リフィア達、ミント、ツーヤと一緒にいるラッセル一家にお礼の挨拶回りをした後、休憩するために東街区の休憩所に向かった。
〜王都グランセル 東街区〜
「さてと、休憩所に着いたね。色々回ったから、そろそろ休憩にしようか?」
「うん、そうしよっか。」
2人は傍にあったベンチに座り、一息ついた。
「しばらくここで休もうか。とりあえず、王都で騒ぎが起きそうな気配はなかったね。」
「ハァ……あっきれた。そんな心配してたんだ。今日くらい、事件の後始末は父さんたちに任せとけばいーのよ。遅れて来たんだからそれくらい当然の義務だってば。」
せっかくの生誕祭を満喫せず、遊撃士として周囲の警戒をしていたヨシュアにエステルは呆れて溜息を吐いた。
「はは、そうなんだけどね。何となく性分っていうか……」
「はあ、仕方ないわねぇ。それにしても……あたしたちも正遊撃士かぁ。」
相変わらずのヨシュアの性格にエステルは苦笑した後、ついに長年の夢だった正遊撃士になれたことに感慨にひたった。
「これからは支部の監督を受けずに自由に行動できるようになる。ただその分、責任も増えるんだけどね。」
「うん、でもまあ何とかやっていけるわよね。今回だって、クーデターは阻止することができたんだし。もう、父さんに『ヨシュアがいないと心配だ』なんて言わせないんだから!」
「はは……さすがにもう言わないと思うよ。でも僕は、これからも君と一緒にいたいと思ってるけどね。」
正遊撃士になって
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