第119話
[1/4]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
〜封印区画・最下層・最深部〜
「か、勝ったぁ〜〜っ……」
バラバラになって完全に沈黙したトロイメライを見てエステルは安心した。
「……みんな、ご苦労だったな。」
安心しているエステル達のところにカシウスが近付いてきた。
「ただいま。エステル、ヨシュア。ずいぶん久しぶりだな。」
「と、と、と……父さん!?」
今まで行方不明だったカシウスを見てエステルは驚いて叫んだ。
「まだまだ詰めは甘いが一応、修行の成果は出たようだな。今回は合格点をやろう。」
「ご、合格点じゃないわよ!なによ、父さん!なんでこんな所にいるの!?」
「なんでって言われても……まあ、成り行きってやつ?」
「ど、どんな成り行きよっ!」
エステルとカシウスの親子漫才が始まり、ヨシュアは相変わらずの様子に苦笑した。
「はは、父さんも相変わらず元気そうだね。」
「ほう、お前も少し背が伸びたみたいだな。どうだ、エステルのお守りは色々と大変だっただろう?」
「どーいう意味よ!?」
ヨシュアを労っているカシウスに自分の名前が持ち出され、エステルは父をムッとした表情でカシウスを睨んだ。
「まあ、それなりにね。でも、それと同じくらい僕もエステルに助けられたから。だからおあいこってところかな。」
「そうか……。いい旅をしてきたみたいだな。………そう言えばお前達、リフィア殿下達と旅をして来たようだな?」
「うん。彼女達にもずいぶん助けられたよ。」
「確かプリネ姫とも一緒だったようだな?噂の”姫君の中の姫君”と一緒の旅を出来るなんて、男として、最高の旅になっただろう?」
「ハハ………さすがにそれは言い過ぎだよ。」
からかわれるように言われたヨシュアは苦笑しながら言った。そして次のエステルの言った言葉がカシウスを驚かせた。
「そうそう、父さん。”闇の聖女”様に会えたよ!」
「ペテレーネ殿にか!?…………それでどうだった?10年ぶりに会えたお前の憧れの人物は。」
「えへへ…………以前と同じ、とっても優しい人だったよ!お母さんの事でお礼を言えたし、短い間だったけど、魔術も教えてくれたんだ!」
「そうか…………それはよかったな。」
エステルの言葉を聞いたカシウスは口元に笑みを浮かべた後、ある事を思い出した。
「そう言えば、エステル。お前が引き取った娘をここに来る途中で見たが、お前にはもったいないほどの可愛い娘だな。俺の見立てではあの娘が成長した時、とんでもない美人になるぞ〜。」
「うっさいわね〜!というか、どこでミントの事を知ったのよ!?」
カシウスにからかわれたエス
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ