第113話
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様子を見て気付いたオリビエは確認した。
「古き王家の伝承にはこうあります。『輝く環、いつしか災いとなり人の子らの魂を煉獄へと繋がん。我ら、人として生きるがために昏き闇の狭間にこれを封じん……』」
「『人の子らの魂を煉獄へと繋がん』……。なんとも……不気味な言葉ですな。」
「なんか、怖い…………」
女王から伝承を聞いたジンは真剣な表情で頷き、ミントは怖がってエステルの服を握った。
「この言葉は、代々の国王への戒めとして伝えられてきました。おそらく『輝く環』と呼ばれる何かはその危険性ゆえ、王家の始祖によって封印されたのだと推測できます。そして、王都の地下から検出された巨大な導力反応……。この2つを結びつけて考えたら……」
「王都の地下に『輝く環』が封印されている……。そう考えるのが自然でしょうね」
女王の言葉をヨシュアは真剣な表情で続けた。
「ええ……。大佐もそう考えたのでしょう。『輝く環』がどういう物なのかは伝承にも残っていませんが……。もし、蘇らせてしまったら大変なことが起きるかもしれません。それこそ過去に起きたという伝説の『大崩壊』に匹敵する……」
「そ、そんな……」
クロ―ゼは悲痛な表情をして
「おいおい……とんでもない話になって来たな……」
「参ったわね、こりゃあ……」
ジンやシェラザードは話の大きさに驚き
「…………メンフィルとしても、それは見逃せないわね。」
「そうね。ようやく、リウイの願いが叶おうとしている時なのに…………」
ファーミシルスやカーリアンは真剣な表情で考え込んだ。
「あ、あの女王様!ロランス少尉は『地下に行け』と言ってましたけど……。あれってどういう意味なんでしょう?」
エステルが先ほどのロランス少尉が言い残した言葉が気になり、それを女王に聞いた。
「このグランセル城には不思議な部屋があるのです……。特に何も保管されていないのに昔から立入禁止とされた場所……」
「あ……」
「宝物庫のことですか!?」
クローゼとユリアはそれぞれ思い当たり、その場にいた一同は宝物庫へと向かった。
〜グランセル城・地下宝物庫〜
そしてヨシュアは宝物庫にある王家の紋章が彫ってある大きな扉の周辺を念入りに調べ、結果を全員に言った。
「間違いありません……。つい最近、ここを頻繁に出入りしたような跡があります。」
「……それだけじゃないわ。かなり重量のある物が運び込まれたような跡もある。」
シェラザードは扉の下にある痕跡を見て推測した。
「おそらく、予備の鍵を使って中で何かをしていたのでしょう。調べてみる必要がありそうですね。」
女王が
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