第111話
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女に関しても知っているぞ。マーシア孤児院出身の”闇夜の眷属”の少女、ミント。近々、ブライト家の一員として、ロレント市民に登録されるらしいな。」
「………………………………」
ロランスに見られたミントはシェラザードと同じように睨んだ。
「あ、あの……。お祖母さまを返してください。もしあなたが大佐に雇われただけなのならもう戦う理由などないはずです。」
エステル達がロランスを警戒する中、クロ―ゼはロランスに女王を解放するように嘆願した。
「この世を動かすのは目に見えている物だけではない。クオーツ盤だけを見ていては歯車の動きが判らぬように……」
「え……」
突如ロランスが語り出したことにクロ―ゼはわけがわからなかった。
「心せよ、クローディア姫。国家というのは、巨大で複雑なオーブメントと同じだ。人々というクオーツから力を引き出すあまたの組織・制度という歯車……。それを包む国土というフレーム……。その有様を把握できなければあなたに女王としての資格はない。」
「!?」
ロランスの意味深な言葉にクロ―ゼは何か大事なことを言われたと気付き、それを必死に考えた。
「面白い喩えをするものですね。ですが……確かにその通りなのかも知れません。まさか、この場で国家論を聞くとは思いませんでしたけれど……」
ただ一人、女王だけはロランスの言葉を理解し、その言葉を重く受け止めた。
「フ……これは失礼した。陛下には無用の説法でしたな。」
それを聞きロランスは口元に笑みを浮かべた。
「な、なんかよく判らないけど……。要するに、女王様を解放する気はないってわけね。」
エステルは何がなんだか理解できなかったがロランスが女王を解放する気ではないと思い、棒を構えいつでも戦えるようにした。
「だとしたら……どうする?」
「決まってる……。力ずくでも返してもらうわ!」
ロランスの挑発ともとれる言葉にエステルは強く言い返し
「そうね……。ここまで来て後には引けない。」
「孤児院を燃やし、先生を襲って、みんなを悲しませた事………ミント、絶対に許さない!みんなに代わって、みんなの悲しみと怒りをお兄さんにぶつけてやっつける!」
シェラザードとミントはエステルの言葉に呼応するようにそれぞれロランスと戦う意思を告げ
「あなたからは敵意は感じられませんけど……。お祖母さまを取り戻すためなら剣を向けさせていただきます!」
クロ―ゼもレイピアを構えてロランスと戦おうとした。
「フフ、いいだろう……。ならば、こちらも少し本気を出させてもらうぞ。」
「え……!?」
エステルがロランスの言葉に驚いているとロランス少尉
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