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英雄伝説〜光と闇の軌跡〜(FC篇)
第107話
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軍まで来るなんて、思ってもいなかったわ。」

ジンの頷きに答えたシェラザードはファーミシルスが来る事に心強さを感じた。

(で、殿下………よろしいのでしょうか?)

他国の軍のトップであるファーミシルスが参戦するかもしれない事にユリアは驚いた後、クロ―ゼに小声で尋ねた。

(……恐らくメンフィルにも何か思惑があっての事かもしれませんが、せっかくのご好意ですし、今は一人でも多くの戦力が必要です。ここは素直に受けましょう。

……”百日戦役”の”ロレント返還”の件や今までの付き合いを考えれば、そんな無茶な要求はして来ないと思います。)

(し、しかし…………)

(……すみません、ユリアさん。私はどうしてもお祖母様を助けたいのです………)

(殿下…………)

申し訳なさそうにしているクロ―ゼを見て、ユリアは何も言えなくなった。そしてエステル達は見張りは親衛達達に任せて明日に備え、戦いで疲れた身体を休めた。



〜グランセル城内〜



「ど、どういう事ですの!?『エルベ離宮』との連絡が途絶えてしまっただなんて!」

一方その頃、カノーネはエルベ離宮と連絡できなかった事にうろたえ、ロランスを問いただしていた。

「親衛隊か遊撃士……。どちらかに落とされた可能性があると言うことかな。」

「ぬ、ぬけぬけと……。連中を指揮していたのは少尉、あなたでしょうに!」

冷静に答えるロランスをカノーネは睨んで責めた。

「これは面目ない。だが、済んでしまったことはとやかく言っても(せん)無きことだ。この上、陛下まで奪われぬよう城の守りを固めるべきだろうな。」

「い、言われなくてもわかっていますわ!」

ロランスの忠告を聞いたカノーネはロランスを睨んだ後、命令を待っている特務兵達に号令をかけた。

「城門を完全封鎖!誰が来ても入れないように!以後は、空からの襲撃にのみ備えることにしなさい!」

「了解しました!」

「それと、各地の部隊に連絡してエルベ離宮に向かわせること!名目は、王族を(かた)ったテロリスト集団の鎮圧です!」

「イエス・マム!」

特務兵達はカノーネに敬礼をした後、早速行動に移るためにどこかに行った。

「ふふ、見事なお手並みだ。」

「フン、当然でしょう。新参者のあなたとは違います。……閣下の留守はわたくしが絶対に守りますわ!」

ロランスの感心の言葉をカノーネは鼻をならして答えた後、決意の表情をした。



そして翌朝………!
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