第106話
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レンと特務兵達の戦いが終わり、夜が来たその頃、エステル達は救出作戦を開始するためにあらかじめ決めておいた集合場所に向かった。
〜エルベ周遊道・夜〜
「さてと……。集合場所はここでいいのよね?」
目印である石碑を見たエステルはヨシュアに確認した。
「琥耀石の石碑のある休憩所だからここで合っているはずだよ。問題は、ユリアさんたちが見つからずに来れるかだけど……」
「……その心配は無用さ。」
ヨシュアの心配に応えるかのように、ユリア率いる親衛隊達がエステル達の後ろにいた。
「わっ、いつのまに……」
「はは、よくそれだけの数が王都に潜伏できていたもんだな。」
「ほう。それだけの数が潜伏できたとは、特務兵共も案外ぬけているのだな。」
「灯台元暗し……ですね。」
ユリア達の登場にエステルは驚き、ジンは感心し、リフィアの言葉にプリネは頷いた。
「我々の理解者は市民にも大勢いるものでね。こちらの準備はできている。いつでも作戦を始めてほしい。」
「よし……。エステル君。号令をお願いしたい。」
「え……?あ、あたしが!?」
クルツに言われたエステルは驚いた。
「元々、君たちが請けた女王陛下直々の依頼だ。」
「ああ、お前さんの号令で始めるのが筋ってもんだぜ。」
「で、でも……。あたし、まだ新米だし……」
クルツとグラッツの言葉にエステルは及び腰で答えた。
「はは、関係ないさ。あんたなら文句はないよ。」
「ただし、あんまり大声を出さないようにね?」
「我々は手伝いだ。異存はまったくないよ。」
「私達もあくまで手伝いよ。ここは士気が高くなるのをお願いね♪。」
「ママ、頑張って!」
「あたしも今回の作戦の号令はエステルさんがすべきだと思います。」
「あ、あう……」
先輩遊撃士達やユリア、そしてカーリアンやミント達に押されたエステルは断れなかった。
「エステル、自信を持って。」
「細かいことは考えるなって。こういうのはノリさ、ノリ。」
(期待しているわよ、エステル!)
(うむ。)
「ファイトです、エステルさん。」
「フフ……どんな号令をするのか、楽しみよ。」
「ま、この場の主役は貴女ですわ。」
「みんなの言う通り、ボクもそう思うよ!」
「号令を……お願いします………エステルさん………」
「うん……。………………………………」
ヨシュアとジン、そして使い魔達の励ましに頷いたエステルは全員が見えるように、石碑の前に立った。
「全作戦要員に告げる……。これより
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