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英雄伝説〜光と闇の軌跡〜(FC篇)
外伝〜夕暮れの惨劇〜前篇
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イリーナは言うのを躊躇った。

「何か言いにくい悩みでもあるのかしら?レンでよかったら聞くわ。臣下の悩みを聞くのも上に立つ者として当然の事だしね♪」

「………あの、じゃあお言葉に甘えて聞いて貰ってもいいかしら?………その、みなさんには秘密という事でお願いしたいのだけど……」

「ええ。レンの心の中だけに秘めておくわ。メンフィル皇女レン・マーシルンの名の誇りにかけて、約束するわ。」

「ありがとう。…………実は………」

そしてイリーナは幼い頃リウイと初めて出会った瞬間、好きになってしまい、時間が経つごとにどんどんリウイへの愛情が膨らんでいく自分に悩んでいる事を説明した。

「ふ〜ん………それって要するに一目惚れって事じゃない。ま、パパならしょうがないか〜。パパ、とっても素敵だものね♪(うふふ……どうやら、イリーナお姉さんがイリーナ”ママ”になる日が近いかもしれないわね♪)」

「レ、レンさん……笑いごとではないわよ………私のような使用人が陛下に恋をするなんて、恐れ多いわ……それに年だって、凄く離れているし、カーリアン様やペテレーネ様だって許さないでしょうし………」

「あら。身分や年齢、ママ達の事は気にしないでいいと思うわよ?パパは不老不死の存在なんだから。ママ達だってみんな懐が広いから、イリーナお姉さんがパパの側室になる事も理解してくれると思うわ。身分だって、ティアお姉様のママは平民の神官だったけど、特に責められるような事はなかったと聞くわ。………いっそパパに全てを告白して、抱かれたら?それで運良く子供ができたりしたら、側室にしてくれると思うわよ?パパ、ああ見えて子煩悩な人だから、中絶しろなんて酷い事は絶対言わないと思うわ。」

「な、ななななっ……!?レ、レンさん!貴女、自分が何を言っているか分かっているの!?」

レンの口から出た信じられない提案にイリーナは顔を真っ赤にして、声を荒げて言った。

「うふふ……もしかして側室じゃ不満?だったら正室になるしかないわね。幸い、パパの正室の座は空位のままだし。」

顔を真っ赤にしているイリーナを見て、レンは悪戯が成功したような小悪魔な笑みを浮かべて言った。

「そういう問題ではありません!だ、抱かれるとか……こ、子供ができたりとか……そ、そんな知識、一体どこで手に入れたの!?」

「あら。そういう知識は皇女として、知っておかないと駄目でしょう?レンも大人にちょっとずつ近付いているから、ママが教えてくれたわ。イリーナお姉さんだって、レンのママからプリネお姉様と一緒に教えてもらったでしょう?」

「そ、それはそうだけど………」

反論ができなくなったイリーナはまだ納得してない表情をしていたが、責めるのをやめた。


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