第102話
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行った。
「…………………………」
カノーネが出て行き、部屋内は重苦しい雰囲気に包まれていた。
「ク……!大佐の崇高なる計画の最終作戦に参加できないなんて……!なんとか、ならんのか!?」
隊長は無念そうな表情で呟いた。
「何か、手柄でもあるといいのですが………」
一人の特務兵が隊長の言葉に答えた。
「手柄……か。」
特務兵の言葉を聞いた隊長は少しの間、考え込んだ後やがてある事を思い付いた。
「そうだ……!大佐が現状恐れているメンフィルの重要人物を人質にできれば、手柄になるぞ!」
「おお……!」
「しかし、悔しいですが我々の実力では今王都にいるメンフィルの重要人物達には敵わないのでは……」
隊長の提案に何人もの特務兵達は表情を明るくしたが、一人の特務兵が表情を暗くして呟いた。
「……確かに遺憾ながらメンフィルの皇族や武将には我々では敵わない。だが、それ以外ならどうだ?」
「それ以外……ですか?」
隊長の言葉に表情を暗くしていた特務兵は首を傾げた。
「ああ。実は少尉よりメンフィル大使館で働いているある人物には手を出すなという命令が来ていてな………その人物を攫えば、我々の汚名を返上できるかもしれん。」
「し、しかしそれは命令違反なのでは?」
隊長の提案に特務兵は戸惑いながら尋ねた。
「……少尉も恐れるほどの人物だ。その人物を手中に収めれれば、今までの汚名を返上できると思わないか?」
「確かにそれはそうですが………」
「………ついて来たくない者はついて来なくていい。これは命令違反になるからな。」
「………いえ、自分も着いて行きます……!」
隊長の言葉に迷っていた特務兵だったが、少しの間考えた後、決意を持った表情で返事をした。
「よし…………明日、メンフィル帝国大使館で働いている使用人、『イリーナ・マグダエル』の確保を決行する!みな、覚悟はいいな!?」
「イエス、サー!!」
隊長の号令に特務兵達は姿勢を正して答えた。そして謹慎を言い渡された特務兵達は作戦の決行のために静かにロレントに向かった。その行動が自分達の命を散らす事も知らずに……………
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