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英雄伝説〜光と闇の軌跡〜(FC篇)
第102話
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が迷惑をおかけしましたかね?」

「で、弟子って……」

ジンの突拍子のない言葉にエステルは驚いた。

「いえ、彼らがメイド部屋にしばらくいたそうなので……。保安上の理由で、何をしていたのか聞かせてもらっていたのですわ。」

一方エステル達の様子に気づいいないカノーネはジンに事情を説明した。

「ああ、そりゃあ、アレですな。ちょうど酒のつまみがなくなって取りに行かせてたんですよ!おい、ヨシュア。なんか食えるもんはあったか?」

「いえ、もう料理人の方々は帰ってしまったみたいで……。侍女の方に聞いたんですけど、すぐに用意できるようなツマミのたぐいはないそうです。」

そして話を振られたヨシュアはいつもの調子で答えた。

「はあ、仕方ねえな。ツマミ無しで我慢するか……。おっと……いいことを思い付いた。」

ヨシュアの答えを聞き溜息を吐いたジンはカノーネの顔を見て、カノーネに近寄った。



「よかったら、俺と酒に付き合ってもらえませんかねぇ。わはは、美人の笑顔は最高の酒の(さかな)といいますしなぁ!」

「に、任務があるので遠慮させていただきますわ。先ほどの一件は不問にいたしますけど……。今夜は、もう部屋に戻ってこれ以上出歩かないことね。不審な行動をした場合、取り調べさせてもらいますよ。」

ジンに近寄られたカノーネはジンから一歩下がって断り、エステル達を睨んで忠告をした。

「わ、わかりましたってば。」

「……家族や仲間がホテルで待っているので、部屋に置いてある荷物を取ったら城を出るつもりです。」

「ふふ、素直でよろしい、では……我々はこれで失礼しますわ。」

エステルとヨシュアの答えを聞いたカノーネは特務兵達と共にどこかに去って行った。

「あらら、フラれちまったか……。仕方ねえ……とっとと部屋に戻るとするかね。」

「う、うん……」

「僕たちも一緒に戻ります。」

そしてエステル達は自分達の客室に戻って行った。



〜グランセル城内・客室〜



「やれやれ……。どうやら上手いことごまかせたみたいだな」

「え……!ジンさん、酔ってたんじゃないの?」

部屋に戻った瞬間いつもの口調に戻ったジンを見て、エステルは驚いた。

「ありゃ、演技だ演技。酒なんざ一滴も呑んでないぜ。」

「うそ!?顔だって赤かったし……」

ジンの説明にエステルは驚いた。

「気を巡らせて血行を良くし酔ったように見せかける……。東方武術における『気功』というものじゃないですか?」

「ほう、そんな事まで知っているとは驚きだぜ。まあ、困ってたみたいだからちょいと口出しさせてもらった。どうだ、助かっただろう?
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