第102話
[2/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
が迷惑をおかけしましたかね?」
「で、弟子って……」
ジンの突拍子のない言葉にエステルは驚いた。
「いえ、彼らがメイド部屋にしばらくいたそうなので……。保安上の理由で、何をしていたのか聞かせてもらっていたのですわ。」
一方エステル達の様子に気づいいないカノーネはジンに事情を説明した。
「ああ、そりゃあ、アレですな。ちょうど酒のつまみがなくなって取りに行かせてたんですよ!おい、ヨシュア。なんか食えるもんはあったか?」
「いえ、もう料理人の方々は帰ってしまったみたいで……。侍女の方に聞いたんですけど、すぐに用意できるようなツマミのたぐいはないそうです。」
そして話を振られたヨシュアはいつもの調子で答えた。
「はあ、仕方ねえな。ツマミ無しで我慢するか……。おっと……いいことを思い付いた。」
ヨシュアの答えを聞き溜息を吐いたジンはカノーネの顔を見て、カノーネに近寄った。
「よかったら、俺と酒に付き合ってもらえませんかねぇ。わはは、美人の笑顔は最高の酒の肴といいますしなぁ!」
「に、任務があるので遠慮させていただきますわ。先ほどの一件は不問にいたしますけど……。今夜は、もう部屋に戻ってこれ以上出歩かないことね。不審な行動をした場合、取り調べさせてもらいますよ。」
ジンに近寄られたカノーネはジンから一歩下がって断り、エステル達を睨んで忠告をした。
「わ、わかりましたってば。」
「……家族や仲間がホテルで待っているので、部屋に置いてある荷物を取ったら城を出るつもりです。」
「ふふ、素直でよろしい、では……我々はこれで失礼しますわ。」
エステルとヨシュアの答えを聞いたカノーネは特務兵達と共にどこかに去って行った。
「あらら、フラれちまったか……。仕方ねえ……とっとと部屋に戻るとするかね。」
「う、うん……」
「僕たちも一緒に戻ります。」
そしてエステル達は自分達の客室に戻って行った。
〜グランセル城内・客室〜
「やれやれ……。どうやら上手いことごまかせたみたいだな」
「え……!ジンさん、酔ってたんじゃないの?」
部屋に戻った瞬間いつもの口調に戻ったジンを見て、エステルは驚いた。
「ありゃ、演技だ演技。酒なんざ一滴も呑んでないぜ。」
「うそ!?顔だって赤かったし……」
ジンの説明にエステルは驚いた。
「気を巡らせて血行を良くし酔ったように見せかける……。東方武術における『気功』というものじゃないですか?」
「ほう、そんな事まで知っているとは驚きだぜ。まあ、困ってたみたいだからちょいと口出しさせてもらった。どうだ、助かっただろう?
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ