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パパの手料理
3部分:第三章
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キに入るのであった。
「いい?」
 今度は麻奈が言う。
「焼き加減だけれど」
「ああ、レアとかミディアムとかだな」
 流石にそれはわかっているようだった。しかし麻奈はそれを聞いても全く安心してはいなかった。
「そうだけれど。いい?」
「まだ何かあるのか」
「レアでも単なる生焼けとは違うから」
「そうなのか」
「お肉の焼ける匂いがしてこないと最低限駄目よ」
 そう父に対して言う。
「それはいいわよね」
「そうだったのか?」
「そうだったのかってねお父さん」
 また呆れた顔になって言葉を返す。
「そうなのよ。油はひいたわね」
「ああ」
 それはもうやっていた。肉に一緒についていた白い固形の油をひく。塩と胡椒も娘達に言われていたので既にしている。最低限のことは何とかしていた。

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