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パパの手料理
1部分:第一章
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散歩だけしていればいいのよ」
「俺ができる家の仕事はそれだけなんだな」
「そうじゃない、実際に」
 バッキーはこの家の飼い犬である。阪神ファンのこの夫婦がわざわざかつてのエースの名前をつけたのである。バースにしようとも思ったがそれだとありきたりなのでこの名前にしたのである。
「だからよ。わかったわね」
「ああ、わかった」
「それじゃあね」
 こうして佳子は妹の家に遊びに行くことになった。何でも美味しいものを食べに行くという。準は自分も美味しいものを食べたかった。この時はそれは少しだけの気持ちだったがすぐにかなり大きくなった。そうしてそれが騒動の元になるのであった。
 その金曜日。準は会社の中であれこれと考えていた。考えることはこの前の妻との話についてであった。どうしようかと考えているのである。
「何か面白くないな」
 正直何も出来ないと思われているのが癪だったのだ。
「このままだと。どうするか」
 ここで頭の中で美味しいものを食べたいという気持ちとつながった。これで彼はあることを思い至ったのであった。
「そうだ、ここは」
 これが騒動のはじまりであった。実にはた迷惑な。
「これであいつも黙るだろう。見ていろ」
 会社の中で一人不敵に笑う。社員達はそれを見て課長がおかしいとヒソヒソ話をはじめたのだが今の彼にはそれも全く目に入らないことであった。

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