暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
OVA
〜暗躍と進撃の円舞〜
暗躍はディナーの後で
[4/9]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
、エリック=ソールバルグは続けざまに口を開いた。
「《ソノブイ》……知らんとは言わせんぞ。我が国が打ち上げに成功した人工衛星の中でもありったけの技術と金をつぎ込んだ最新鋭機だ。だが打ち上げた後におかしなことが分かってな。設計図上に存在しない区画が存在している可能性が浮上してきたのだよ。それも、一号機から十号機の全てで、だ」
青年は何も喋らない。
余裕がないようにも見えるし、泰然としているようにも見える。
つぶさにその一挙一動を観察しながら、エリックは言う。
「しかもその区画は
主要中枢
(
メインパート
)
にがっちり食い込んでいて、下手にいじればどんな影響が出るか分からないときた。さて、そこで疑問が出てくる。こんな厄介な代物を、どこのどいつが組み込みやがったんだろうな?」
「俺がやったとでも?」
「残念ながら、証拠はない。設計者がなぜか、設計図とともに雲隠れしているからな。――――これだけならば、私はまだ君を信じたよ。だが……」
男は懐から何かを取り出し、テーブルに叩きつけるように置いた。
それは写真。
ひどく不鮮明だが、遠目にも分かる真っ黒な白衣を纏う男が、少ない人数を率いて何かをやっていた。
「これは……」
「これは一番最近に打ち上げ失敗し、北海の底に沈んでいる衛星《ルーヴィン》だ。重なる打ち上げ失敗に対抗するために、幾重もの安全策や対策を乗せた衛星だった。だが、それでも堕ちた」
ギロリ、とエリックは小日向相馬を睨みつける。
怒気を通り越す明確な殺意がそこにはあった。
「貴様は打ち上げに失敗した全ての衛星に《ナニカ》を積んでいた。それも大量に。それが打ち上げ失敗の原因ではないのかね?」
「…………」
「今なら分かるぞ。貴様が、打ち上げるマスドライバー技術には積極的に関与し、その反面打ち上げられる方の衛星にはまったくノータッチだった理由」
「…………………………………」
隠れ蓑だろう?と初老の男はねめつけるように青年の瞳を覗き込む。
「貴様の行動は逐一世界の闇に把握されている。我が国の宇宙開発関連にしても、どれだけ隠匿しようと完璧とはいえないからな。だから貴様は、世界の視界から少しでも《本命》を隠すため、わざと衛星ではなくマスドライバーのほうに注力した。違うか?」
「…………………………………………………………………………………………………」
「……おつむの出来に感謝するんだな、小僧。貴様には我が国の頭脳として働いてもらうぞ。手始めにルーヴィンらに詰め込んだ謎の積み荷について――――」
「あーなるほどなるほどぉ〜。監視カメラ全部ジャックしたのになんでこんなもん残ってると思ったら、これ角度的に市販レベルのハンディカメラか?
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ