第101話
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その後、エステル達はまたメイド服に着替えてヒルダに連れられて、女王宮を出た。
〜グランセル城・女王宮入口前〜
「ヒルダ夫人。今日はもうお帰りですか?」
メイドに変装したエステル達を従えて、女王宮から出て来たヒルダを見て見張りの特務兵は尋ねた。
「ええ、そうさせて頂きます。くれぐれも陛下に失礼のないようお願いします。」
「これは手厳しい……。ですが、どうかご安心を。我々は愛国の士でありますから。」
ヒルダの言葉に特務兵は苦笑した後、胸を張って答えた。
「頼もしいことで何よりです。それでは、私達はこれで失礼させて頂きます。」
「ど、どーも……」
「……失礼いたします。」
そしてエステル達が女王宮を後にしようとしたその時
「ああ、お嬢さんたち。」
特務兵がエステル達を呼び止めた。
「え……」
呼び止められたエステルは驚いて振り向いた。
「そういえば名前を聞いてなかったと思ってな。一応聞かせてもらえるか?」
「えっと、その……。サティアっていいます。」
特務兵に名前を尋ねられたエステルは咄嗟に思い浮かんだパズモの前の主の一人の名を名乗った。
「ほう……なかなか良い名前だな。あんたの雰囲気にも合っている。」
「え、その……ありがとうございます。」
特務兵の賛辞にエステルは恥ずかしそうな表情で答えた。
「で、そちらの黒髪のお嬢さんは?」
そしてもう一人の特務兵が女装して、メイド姿のヨシュアに名前を尋ねた。
「……カリンと申します。」
ヨシュアは静かに偽名を名乗った。
「カリンというのか……。何というか、可憐な名前だ。」
「ありがとうございます。……私もこの名前はとても気に入っています。」
ヨシュアの偽名を聞いた特務兵は賛辞し、ヨシュアは特務兵の賛辞に優しい微笑みで答えた。
「そうか……。そ、そうだ。自分は特務部隊の……」
ヨシュアに微笑まれた特務兵はヨシュアを見惚れた後、慌てて名乗ろうとしたが
「そのくらいにして下さい。これ以上は下心ありと見なしますよ。」
ヒルダに話を遮られた。
「いや、自分たちは……」
ヒルダに話を遮られた特務兵達は言い訳をしようとしたが
「………………………………(ギロッ)」
「……どうぞ気を付けてお戻りください。」
有無も言わせないヒルダの睨みに怯み、言い訳をするのをやめた。
〜グランセル城内・廊下〜
「はあ……。ヨシュアってばモテモテね。あの連中、ヨシュアが名乗ったら目の色変えてたもんね〜。」
「そ、そんなこと無いってば
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